更新日:2025年05月01日 11:37
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日本にとってウクライナ侵攻は他人事ではない! 高校チュータイ外交官が警鐘

ロシアもウクライナも元を辿れば同じ民族の国

 また、ロシア人もロシアだけでなく、いろんなところに散らばって住んでいるという。ラトビアでは40%、エストニアでは30%がロシア系の住民です。不幸にもロシアに攻め込まれてしまったウクライナも、実は約5人に1人がロシア系の住民です。 「島国である日本にはあまり馴染みがないかもしれませんが、ユーラシア大陸の国々のように陸続きの場所では、ある民族がいろんな国にまたがって生きているのは自然なことです。  ウクライナとロシアも、ルーシ民族という共通の先祖を持ちます。『ルーシ』というのはロシアという国名の由来ですし、お隣のベラルーシという国は『ルーシ人の国』という意味です。 ボルシチ ボルシチという料理を聞いたことがある人も多いでしょう。日本ではロシア料理として有名ですが、実はボルシチの発祥はウクライナです。ウクライナ風のボルシチは野菜をたっぷり使っていて、最後にニンニクを効かせるのが特徴ですが、ロシア風のボルシチはハムやソーセージが具として加わっていて、それもまた美味しそうです。  このように、民族だけではなく、文化や食べ物なども似ている部分も多いのです。  元を辿(たど)れば同じ民族が争っている、というのはなんとも悲しいことですね」

NATOの拡大を絶対に阻止したいロシアの思いとは?

NATOイメージ

Algimantas – stock.adobe.com

 冷戦下の1949年、アメリカ、カナダ、ベルギー、オランダ、など12の国が参加して、「北大西洋条約機構(NATO)」できた。できた当時は12ヵ国だったNATOも、現在は32ヵ国にまで拡大している。  このNATO拡大の流れはウクライナにも及んでくるのだ。 「そもそもロシアは、NATOに入りたいという国が増えることを面白く思っていません。ロシアからすると、自分たちに対抗するためという理由で作られたNATOがどんどん大きくなっていくということは、ロシアの敵が増えているように見えてしまうのです」  2014年のマイダン革命後、ウクライナは今までよりいっそうヨーロッパ寄りになっていきました。  クリミア併合(2014年)が起きても、ウクライナはロシアに屈するどころか、むしろ『やっぱり仲良くすべきはヨーロッパだよね』と、今まで以上にヨーロッパの一員になりたいとの考えを強くしました。  それに、『やっぱりNATOに入ってアメリカや西側の国と一緒に自分の国を守ろう』と主張する人も多くなってきたんです」
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ウクライナ国内にいたロシア系民族の不満
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1984年埼玉県生まれ。高校時代に2度の留年と2度の中退を経験。一念発起して大検を取得後、青山学院大学文学部に進学。早稲田大学法科大学院を経て、2010年に司法試験および国家公務員Ⅰ種試験に合格。2011年に外務省入省後、スペイン駐在を経て、中南米外交やアジア外交に携わる。外交官として働く傍ら、国際情勢やキャリア設計についての講演活動も行う。著書に『高校チュータイ外交官のイチからわかる! 国際情勢』がある。
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