日本にとってウクライナ侵攻は他人事ではない! 高校チュータイ外交官が警鐘
ウクライナ国内にいたロシア系民族の不満
もっとも、ウクライナ国内には違う意見もあった。
ウクライナは「汚職大国」として知られるほど汚職が多く、その国の政治状況のクリーンさを表すランキングでは180ヵ国のうち105位と低水準。
ちなみに汚職が多いとEUには入れないので、ウクライナの汚職の多さはEU加盟にも障害となっている。ウクライナの経済をみても、GDPはソ連時代よりも6割にまで落ち込み、国民の生活は一向に豊かにならない。
そもそもウクライナの中でもロシア系住民の多い東部は、地下資源が豊富なことからもともと工業が発達し、住民の生活も豊かだった。
しかし、ソ連が崩壊し、ウクライナが国として独立すると、その東部地方は貧しくなっていく。東部の人の所得は、ソ連時代よりもウクライナが独立してからのほうが低くなった。そのようなことに不満を持っていた人もいたという実態もあった。
「このようになかなか国内がまとまらない状況の中、コメディアン出身の大統領が誕生します。それが今もウクライナを率いているゼレンスキー大統領です。ゼレンスキー大統領はそれまで以上にNATO加盟に積極的でした。
ウクライナは地理的にみて、ロシアにとって裏庭のような存在です。しかも、ロシアにとって大事な海への出口もあります。だから、ロシアとしてはウクライナがNATOに入るのは絶対に嫌なのです。
一方、ウクライナのNATO加盟を絶対に阻止したいロシアは、『ロシア系住民がウクライナ東部で辛い思いをしているんでしょ、だったらロシアがウクライナに行って助けてあげるよ』ということを口実に、2022年2月、ウクライナに攻め込んだのです」
ウクライナ侵略を仕掛けたロシアの“誤算”とは
1984年埼玉県生まれ。高校時代に2度の留年と2度の中退を経験。一念発起して大検を取得後、青山学院大学文学部に進学。早稲田大学法科大学院を経て、2010年に司法試験および国家公務員Ⅰ種試験に合格。2011年に外務省入省後、スペイン駐在を経て、中南米外交やアジア外交に携わる。外交官として働く傍ら、国際情勢やキャリア設計についての講演活動も行う。著書に『高校チュータイ外交官のイチからわかる! 国際情勢』がある。
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