更新日:2025年05月01日 11:37
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日本にとってウクライナ侵攻は他人事ではない! 高校チュータイ外交官が警鐘

まとまらなかったウクライナがロシアの侵略によって団結した

ウクライナ侵攻 事実、クリミアに侵攻された翌年の2015年には徴兵制を復活させ、クリミアで壊滅した海軍も建て直していた。  ゼレンスキー大統領も、コメディアン出身という素養もあってか、巧みにSNSを使いこなし、国民や軍を鼓舞(こぶ)し続けた。それまでなかなか国内がまとまらなかったウクライナが、ロシアの侵略によって団結した……、これはロシアにとっては、皮肉に違いないだろう。 「ヨーロッパやアメリカなど欧米諸国もウクライナを支援しました。ミサイルやドローンなどの最新兵器をウクライナに送り、少し遅れながらも本格的な支援に乗り出しました。  軍の規模ではロシアよりも圧倒的に劣るウクライナ軍ですが、ゼレンスキー大統領のリーダーシップ、そして絶対に国を守るんだという士気の高さ、そして欧米からの支援により、ロシアからの攻撃に耐え抜きます。  一方のロシアとて今さら手を引くわけにもいきません。ウクライナ軍が使う最新兵器に対抗するべく、とにかく兵士を前線に突っ込む、いわば肉弾戦のような戦い方を繰り広げました」

日本人も「今日のウクライナは明日の日本」という危機感を持つべき

東京 今回のウクライナ侵略から学ぶべきことは、“日本の安全のありかた”だと、島根氏は言う。北方領土問題を抱え、地理的にもロシアに近い日本は、ウクライナ侵略を他人事としてみてはダメだというのだ。 「今日のウクライナは明日の日本だ、といってもいいかもしれません。  ヨーロッパの国々には、ウクライナの次は自分たちだ、という危機感があります。特に北欧やバルト三国などロシアと地理的に近い国は、より切迫した危機感を持っています。もっともこのような危機感は、わたしたち日本人も十分に持つべきです。  ウクライナ戦争から日本が学ぶべきことは、日本がどこかの国に攻められた場合に備え、少なくともしばらくの間は自分の国を守る力、同盟国などの助けが来るまでは耐え忍ぶ力をつけることが必要、ということです。  ロシアがウクライナに侵攻した時、アメリカやヨーロッパは一斉にロシアを非難し、ウクライナの側につきました。  それでも、ウクライナに武器が届くのには時間がかかりました。みんなそれぞれ国内の手続きも必要ですし、他の国を助けに行くとなれば反対の声もあるので、そんなにすぐにはできないのです。欧米からの武器支援が遅れたことも、ウクライナ軍が苦戦を強いられたひとつの要因です。  このことは日本にも起こるかもしれません。  日米同盟があるので、日本に何かあった際にはアメリカが日本を守ってくれることになっています。でも、日本が攻撃されて、即座にアメリカ軍が駆けつけられる保証はどこにもありません。  少なくとも、日本としても何かあったときには、アメリカや国際社会が助けてくれるまで自分たちの国は守る、一定期間はしっかりと耐え忍ぶ、それくらいの準備と防衛力は必要なのです」
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誰も予想していなかった侵略が起こるかもしれない
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1984年埼玉県生まれ。高校時代に2度の留年と2度の中退を経験。一念発起して大検を取得後、青山学院大学文学部に進学。早稲田大学法科大学院を経て、2010年に司法試験および国家公務員Ⅰ種試験に合格。2011年に外務省入省後、スペイン駐在を経て、中南米外交やアジア外交に携わる。外交官として働く傍ら、国際情勢やキャリア設計についての講演活動も行う。著書に『高校チュータイ外交官のイチからわかる! 国際情勢』がある。
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