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「敬遠されない」大谷翔平に“明らかな異変”…初球打率.133「消極的打撃」がもたらす“負の連鎖”

大谷が“敬遠されない”事態に

 さらに、24日のカブス戦では、大谷の不振ぶりが露わになる場面もあった。それが、6回表に訪れた大谷の第4打席と、9回表の第5打席である。  6回表はドジャースが1点差に詰め寄り、2死二三塁で1番大谷に打順が回ってきた。多くのファンの脳裏には敬遠四球もよぎったと思われるが、カブスバッテリーが選択したのは真っ向勝負だった。大谷は3球目に手を出したものの、凡打に倒れドジャースのチャンスはついえた。  さらにカブスの1点リードのまま迎えた9回表は、1死走者なしで大谷が打席に立った。一発が出れば同点となる場面で、初球、2球目と大きく外れ、2ボール。カブスとすればここでも大谷と無理に勝負はしない選択肢もあったはずだ。ところが再び勝負を挑み、大谷を空振り三振に切って取った。  もし大谷が好調なら、いや、たとえ好調でなくても、一塁が空いていれば勝負を避けるのが常套手段だったはずだ。しかし、今の大谷の状態はそれだけ悪いということだろう。

パイレーツ戦で復調のきっかけを掴めるか

 大谷は相手チームすら認めざるを得ない不振から立ち直れるのか。移動日を1日挟み、本拠地ドジャースタジアムで迎える26日のパイレーツ戦は、若き剛腕ポール・スキーンズとの対戦が予想されている。  昨季、カブスの今永昇太らを退け、ナ・リーグの新人王に輝いたスキーンズといえば、大谷が「初対戦の1打席目は速すぎて見えなかった」と脱帽した相手だ。ただ、そのスキーンズに対して、大谷は6打数2安打、1本塁打という記録を残している。  奇しくもスキーンズの今季の初球被打率は.400(15打数6安打)と打たれている。それだけに、大谷とすれば調子を取り戻す絶好の機会となるかもしれない。ぜひ剛腕の初球をたたき、スランプから脱出してもらいたいところだ。 文/八木遊(やぎ・ゆう)
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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