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壮絶いじめに苦しんだ少年時代、酒浸りの生活、家庭崩壊…中年を過ぎてブレイクした芸人・チャンス大城(50歳)が振り返る半生

千原ジュニアとの出会いで運命が一転

エッジ050613──でも、長年見てきてる俺としては今になってこんなに売れてるのが驚き。 大城: 僕ももう売れないだろって諦めてたんです。だけど、’17年に、千原ジュニアさんの『チハラトーク』に呼んでもらって、その時に山に埋められた話をしたらかなりウケたんですよ。その後、千原ジュニアさんの紹介で『人志松本のすべらない話』にも出させてもらって勢いに乗り……。 ──本当に断酒できてるの? 大城:一回も飲んでないです。ただ、吉本に入っても2年間は仕事がなかったんですよ。そしたら、空からなんか光が降りてきた。きっと神様に見られてんだと思って「仕事ください! 明日からゴミ拾いしますから!」って言ったら、「自分の仕事のためにやるな。無償でやれ」って声が返ってきた。  そこから、ホームセンターでトングとちり取り買って吸い殻集めをするようになったら、千原せいじさんが『さんまのお笑い向上委員会』に呼んでくれました。 ──それで少しずつテレビの露出が増えていったんだ。でもその時、宗教も8つくらいかけ持ちしていたよね。一体、どの神様からのお告げだったのか……。 大城:’07年のテレビ企画ではイスラム教に改宗しましたしね。

本当の「地下芸人」とは?

エッジ050613──でも、こうやってバラエティに出たりしつつも、やってることは昔から変わらないよね。 大城:そうですね。芸は変わっていないですね。なんなら、大衆の笑いのツボが僕ら地下芸人に寄ってきた感覚です。 ──今はテレビに出てない芸人が地下芸人って呼ばれてるけど、本当の地下芸人は大城さんたちみたいな人たちだよね。「こいつら今までどうやって生きてたの?」みたいな。 大城:自称・芸人って感じでしたよね。ハコでもないところで勝手にやったり。今はYouTubeでネタの教材はたくさんあるんで、どんどんスマートでスベらないお笑いが増えているなと思いますね。 ──地下芸人って本当に何やってるかわからない人が多いですもんね。でも、大城さんは他の芸人からすごくリスペクトされているのがわかるよ。この人は本当の地下から来たんだって。 大城:ほんまかな? 近頃は酒をやめたら売れると、地下芸人の間で断酒ブームになってはいますけどね(笑) 【CHANCE OSHIRO】 1975年、兵庫県尼崎市生まれ。14歳でNSC大阪校に入学するも中退し、19歳で再びNSCに入り13期生に。いくつかコンビを組んできたが、現在はピン芸人。吉本、大川興業と事務所を転々としフリーを経て’18年に吉本に復帰。『R‐1グランプリ2025』決勝進出 文/田中 慧(清談社) 撮影/武田敏将
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