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石破首相夫人、外交の場で「若者向けブランドのワンピース姿」に違和感…透けて見える“無関心”が示す国民との距離

2万円のワンピースで親近感を打ち出したかった?

佳子夫人

画像:石破茂 Xより

 次に、ブランドの価格帯によってメッセージを出しているのだとしたら。「SNIDEL」の当該商品は、20,900円だそうです。つまり、ぜいたく批判をされず、庶民にも手の出せるブランドを愛用しているという親近感を打ち出したかった可能性です。  しかし、これも諸刃の剣です。王族や国際的な公人がファストファッションをカッコよく着こなすスナップなどが注目を集めますが、それはもともとの背格好や骨格など、何を着ても様になる土台があるからこそ、低価格の衣服でもきちんと感が出るわけですね。  その視点から考えると、“SNIDELでいける”と考えた背景には自分のシルエットやキャラクターを冷静に分析した形跡が感じられないのです。自分を真剣に見ないということは、当然他者をも軽視することにつながり、油断にもなります。  結果的にあの花柄にした意外性はなくなり、肝心の人となりが抜け落ちたまま、ワンピースだけが批判にさらされたのです。

佳子夫人のワンピース姿があらわすもの

 改めて、冒頭のフィッツジェラルドの文章です。果たして佳子夫人のSNIDELは「自信」のあらわれだったのでしょうか?   むしろ、それはフィッツジェラルドの皮肉すらも通り越した、茫漠たる無頓着や無関心です。良い意味での自意識がすっぽりと抜け落ちた、ちぐはぐな印象につながってしまっているのです。  外見のだらしなさならば努力や工夫で解消できますが、無関心は長い年月によって積もった錆のようなものです。  国民と政治との間の根深いところでディスコミュニケーションが進行している。空々しい花柄が訴えるものは、静かな断絶なのです。 文/石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4
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