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「儲かるわけない」万博シノギから排除されたヤクザの声…しかし「本番はこれから」と息巻く理由

万博に乗れなかった一方、周辺事業でしっかり回収

[大阪万博とヤクザ]の“裏”実態

跡地の解体や廃材処理事業でも莫大なカネが動く。それを何がなんでも手に入れたいようだ

 ここで注目されるのが、地元のフロント企業たちだ。 「カジノと産廃の利権は、ほぼ某市の土建系企業らが押さえています。その中の企業『I』は、東日本大震災の被災地に多額の寄付をして社会貢献をアピールしていますが、社長は元山口組関係者です」(暴力団に詳しいライター)  下請けになればなるほど、暴力団と一切無縁の企業は少なくなる。さらに、従業員の中には反社と繋がりのある元不良も多く含まれているとか。 「大規模な公共事業では、下請けの取りまとめ役が請負額の数パーセントを暴力団側に流す。これは一種のみかじめ料のようなもの。さらに、そこから政治家にカネが流れているケースもある」(某元組員)  実際、政治家と反社の間ではすでに利権争いが繰り広げられている。フロント企業関係者が証言する。 「岸田政権当時、政府との万博やIR利権獲得の交渉窓口を失った某政党が、現在は政界を引退しているCに頼った。Cが後援会を通じて口利きを図ると、関西最大の暴力団Xのフロント企業とされる『Z』グループが浮上した」  Zグループは万博関連の燃料配送を担っている企業だ。 「燃料価格は言い値で決められ、実質的にはヤクザが利益を吸い上げる構図。さらに、この企業は解体業や建設廃材の処理事業にも手を広げているといいます」(同)

反社チェックが“ザル”…行政の焦りを利用

[大阪万博とヤクザ]の“裏”実態

行政が急ぐ喫煙所設置に便乗して荒稼ぎをしている⁉(写真はイメージです。本文の内容と関係ありません)

 同時に、針の穴に糸を通すかのように獲得したシノギがあると噂されている。それが「喫煙所利権」だ。  大阪市内では万博に合わせて今年1月、全域での路上喫煙禁止条例を施行。同時に、分煙対策として市内に喫煙所の設置を推進。  条例施行までに120か所の新設を目指し、パチンコ店の喫煙所も含め約350か所の喫煙所が市のHPで公開されている。  この設置に暗躍しているのがヤクザたちなのだという。関西の暴力団関係者は話す。 「大阪市は急ピッチで喫煙所を新設したい思いがあって、昨年から喫煙所を設置してくれるビルや土地の所有者や工事業者の募集を開始した。喫煙所の設置費用の補助率は100%で、上限は1000万円。地下の場合は2000万円までになる。ヤクザたちは子飼いの業者や知り合い周りの業者に声をかけ、市に申請。無事に審査に通れば工事を受注できる。急ぎのプロジェクトだけに、細かな反社チェックは行われていないし、ハネられたら別の業者で申請させるだけなので痛手もない」  さらに補助を受けた喫煙所は維持管理費として年間144万円が支払われるため、まさに“打ち出の小槌”である。 「行政が手柄欲しさに急ぐ事業ほどザルなものはない。こういう焦りにつけ込む」(同)  利権に絡みたいヤクザの執念は岩をも穿つようだ。 取材・文・撮影/週刊SPA!編集部
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