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時計のない暮らしから見えてきた真実――オーストラリア先住民に学ぶ「本当の豊かさ」とは

アボリジナルと縄文人の意外な共通点

ーーアボリジナルの文化と日本の縄文文化には共通点があるそうですね。 飯島:はい、両者とも狩猟採集民族で、自然を大切にする文化を持っていました。最近のDNA解析によると、沖縄で発見された約2万2000年前の「港川人」の特徴が、オーストラリアのアボリジナルに非常に近いことがわかっています。縄文人とアボリジナルには共通の祖先がいる可能性が高いんです。この事実は、私たち日本人が忘れてしまった自然との共生の精神を思い出すきっかけになるかもしれません。 ーーアボリジナルの人々の知恵は、現代の科学とも関連があるそうですね。 飯島:その通りです。特に興味深いのは、彼らの宇宙観です。アボリジナルは太古の昔から星や天体を詳細に観察し、その動きを正確に把握していました。例えば、プレアデス星団の動きで季節を判断したり、星の位置を地図代わりに使ったりしていたんです。これは世界最古の天文学と言えるでしょう。また、彼らのドリーミングの概念は、最新の量子物理学の理論とも通じる部分があります。例えば、時間が絶対的ではなく相対的であるという考え方は、現代物理学の最先端の理論と驚くほど一致しているんです。

人類最古の叡智を現代に伝える

ーー現代社会に生きる私たちが、アボリジナルの知恵から学べることは何でしょうか? 飯島:私は本書で、アボリジナルから学んだ4つの習慣を紹介しています。「深く聞く習慣」「無意識を感じる習慣」「自然に話しかける習慣」「モノに執着しない習慣」です。 例えば、「深く聞く習慣」は、相手の言葉を真摯に受け止め、共感する力を養います。「無意識を感じる習慣」は、日常のストレスから解放され、創造性を高めることにつながります。「自然に話しかける習慣」は、自然との一体感を取り戻し、環境への配慮を促します。そして「モノに執着しない習慣」は、真の豊かさとは何かを考えるきっかけになります。これらの習慣を取り入れることで、私たちは忙しい現代社会の中でも、より穏やかで充実した生活を送れるようになるのではないでしょうか。 ーー現代人にとっても含蓄のある話といえそうですね。 飯島:アボリジナルの人々の知恵は、決して過去の遺物ではありません。むしろ、現代社会が直面している多くの問題に対する解決のヒントを与えてくれるものだと思います。彼らの自然との共生の精神、物事の本質を見抜く力、そして「共有」の文化は、私たちが忘れかけている大切なものを思い出させてくれます。同時に、アボリジナルの文化と日本の縄文文化のつながりを知ることで、私たち日本人のルーツを再認識し、失われつつある自然との調和の精神を取り戻すきっかけになればと思います。この本を読んで、皆さんが日々の忙しさから少し離れ、本当に大切なものは何かを考えるきっかけになれば嬉しいです。そして、その気づきを通じて、より持続可能で心豊かな社会を作っていく一助になればと願っています。
1965年山梨県生まれ。ジャーナリスト、TBSシドニー通信員、豪外国人記者協会前会長。豪・ウーロンゴン大学院ジャーナリズム学科卒業後、シドニーの地元テレビ局で日本語教育番組等を制作。TBSの2000年シドニー五輪支局の代表を務めた後、TBSシドニー通信員として特派員業務を行う。これまで、オーストラリアやニュージーランド、南太平洋島嶼国を精力的に取材し、歴代首相や著名人への単独インタビューなどを敢行している。2020年には、日・豪・中合作のドキュメンタリー映画『セーブ・ザ・リーフ〜行動する時〜』をプロデューサーとして制作。著書に『躍進する未来国家豪州 停滞する勤勉国家日本 -2032年の世界の中心 オーストラリアに学べ-』(2022年/いろは出版)、小説『奇跡の島〜木曜島物語〜』(2019年/沖縄教販)、訳書『豪州へ渡ったウチナーンチュ』(2021年/沖縄教販)がある

アボリジナル・メッセージアボリジナル・メッセージ

何も持たずに豊かに暮らすオーストラリア先住民が教えてくれた幸せ法則とは?所有から共有へ。人類最古の叡智

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