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「東大前駅切りつけ事件」はなぜ起きたか。“教育虐待されていた東大生”が語る「異常に教育熱心な親」の実態

柊さんを踏みとどまらせた“ブレーキ”

ーー教育虐待の被害者全てが犯罪者になるわけではないと思いますが、何が分岐点となるのでしょうか? 柊さん:親に対して復讐する事件はちょくちょくありますよね。私自身、親から行き過ぎた「教育」を受けてきて、親に対して害意を抱いたこともありました。  私が踏みとどまれたのは「こんな人間のために、自分の手を汚すなんてもったいない」と感じたからです。このブレーキがなければ、正直どうなったかわかりませんし、追い詰められた結果として暴力に走る方も確実にいるでしょう。  とはいえ、事件を肯定してはいけません。教育虐待をする親に問題があるのは明白で、そのはけ口として切りつけ行為を選ぶのは全く不適格でしょう。  被害にあった何の関係もない方にも迷惑ですし、その命がけのメッセージが肝心の親たちに届かない点でも、全く報われません。

子どもに対抗策はない

ーー教育虐待を受ける子どもたちには、どんな対抗策があるのでしょうか? 柊さん:結論から言ってしまえば、現行の仕組みでは親から子どもが逃げることは不可能だと感じます。  親は子どもをコントロールしたがるので、その閉じられた世界に介入してくる第三者が必要となるのですが、学校の先生や児童相談所では全く力が足りない。  私も先生に相談したことがありますが、その時は「スクールカウンセラーの人に相談してね」とたらいまわしにされた挙句、「うんうん、つらかったね~」と流されて終わってしまった。  児童相談所も、「子どもは親と育つべき」みたいな考えが第一にあるようで、虐待を受ける子どもが実際に保護されるケースは極小です。  子どもの時代は耐えるしかない。中学高校を卒業して、自分で資金を調達できる土台を形成できるようになったら、ひっそりと脱獄の準備を進めて、ある日突然姿を消す。これが唯一の脱出口だと思います。  もちろん、親の支配に耐えるためには、一人の力では対抗できないでしょう。だからこそ、学校や塾など子ども世代のコミュニティ形成が重要である気がします。  私自身も、中学の時に友達の話を聞きながら「うちっておかしいのかも」と気付くことができました。親と一緒にいたくないから、学校に逃げ込むことができた。今回の犯人は中学から不登校になってしまわれたようですが、そこが私と彼の大きな違いといえるかもしれません。
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「教育熱心」は罪なのか?
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著述家、教育ライター。 一般財団法人「ドラゴン桜財団」評議員。 1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など。株式会社カルペ・ディエムにて、お金と時間をかけない「省エネスタイルの勉強法」などを伝える。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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