「順番待ちの列を守らない、ゴミ放置は日常茶飯事」外国人観光客の“マナー違反”に頭を抱えるキッチンカー店主の葛藤
インバウンド需要に沸く日本。しかし観光地では、外国人観光客によるマナー違反が問題となっている。たとえば、奈良公園のシカへの虐待行為など、度を越した行動が度々ニュースで取り上げられるようになった。そんななか、観光地で外国人観光客と接している“現場”の声は……。
観光地でキッチンカーの仕事をしていた後藤俊二さん(仮名)は、数々の迷惑行為によって精神的に追い詰められてしまい、現在は働くこともままならない状態だという。いったい、何があったのか?
後藤さんは「ひと括りに『外国人観光客は悪い』と言うのは適切ではない。すごく礼儀正しい外国人観光客もいたので」と前置きしたうえで、重たい口を開く。
もともと休日に自然豊かな場所や観光地を訪れるのが趣味だったという後藤さん。
転職を考えていた際、観光地でキッチンカーの仕事を募集しているのを見つけ、「今しかない」と思って応募。そして、見事に採用されたという。
「旅先で出会った人たちとの触れ合いや、その土地でしか得ることのできない高揚感。これを仕事として共有していきたいという思いがありました」
業務内容は至ってシンプル。キッチンカーで観光客向けにカステラなどの軽食やコーヒーを提供すること。だが、実際に仕事を始めてみると、想像以上に外国人観光客の対応に苦労することになる。
後藤さんは「正直、思い出したくもないのですが」と嘆く。その迷惑行為は枚挙にいとまがなかった。
「順番待ちの列を守らない、会計時にお金を投げてくる、キッチンカーの前に用意したテーブルと椅子に食べ残しやゴミをそのまま放置していくのは当たり前。
メニューにない商品をオーダーしてくる、営業終了後なのに店を開けろと言ってくる、オープン前の準備で忙しい中で早くしろと急かされる、無料でコーヒーをもらおうとしてくるなどの理不尽な要求も多かったです。
中国語や英語で『クソ日本人が』などの暴言を吐かれたり舌打ちされたりするのは日常茶飯事でしたね」
日本のマナーを無視した行動が後を絶たなかった。そんななか、後藤さんが特に憤りを感じた出来事が2つあったという。
ある日のこと。いつも通りキッチンカーの準備をしていると、突然外から雪を投げつけられたという。まったく意味がわからない……。
「当たりどころが悪ければ、大怪我をしていたかもしれません。他のお客様に当たりでもしたらと考えると恐ろしくなりました」
咄嗟に怒って注意したが、相手は面白半分だったようで、半笑いで謝ってきたという。
「もちろん、そこに誠意などはなく、『もう終わった?』と言わんばかりの態度でさっそうと帰っていき、悲しみと憤りで言葉が出なかったのを今でも覚えています」
また、営業終了後にレジの精算を行っていると、外からキッチンカーを“ドン!”と蹴られたのだ。
「窓から外国人観光客が走って逃げていく様子を見つけました。走って追いかけようと思いましたが、観光地ということもあり、人の目も気になってしまい、行動には移せませんでした」

※写真はイメージです。以下同
中国語や英語で暴言は日常茶飯事「クソ日本人が」

急にキッチンカーを蹴られて…
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編集者・ライター・旅行作家。取材や執筆、原稿整理、コンビニへの買い出しから芸能人のゴーストライターまで、メディアまわりの超“何でも屋”です。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』『10ドルの夜景』など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ』シリーズほか多数。X(旧Twitter):@gold_gogogo
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