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取引先の出身校を小バカにする新入社員…先方からクレームが入るも、なぜか「お咎めなし」の理由に愕然

突然電話がつながらくなったワケは…

 こうして周囲に毒を撒き散らしながらも、本人はいたって順調に社会人生活を送っていたはずのAさん。だが、ある日突然、会社から消えたのだという。 「とある日、Aが出社していないのでスマホに連絡すると、『この電話番号は現在使われておりません』とのアナウンスが流れたんです。その数時間後には退職代行業者から連絡が来て、Aはそのまま会社を辞めていきました。どうやら、大学時代の友人が会社を起業したことで、そちらに移籍するという理由だったようですが……。  なんの引き継ぎも行わずに辞めてしまったので、Aが進めていたプロジェクトは教育担当として自分が引き受けることになりました。そのうえで、部長からは『教育がなっていないからだ』と再び叱責されたんです。  初対面から最後まで、一貫して最悪な印象しかない同僚は後にも先にも彼一人。退職代行を使われても、イマドキ感より彼らしさが勝ってすらいるように感じました。ムカつきを通り越して、もはやアッパレと思うしかありませんでしたね(笑)」

かつての常識が通用しなくなっている?

 教育係というだけで、Aさんの尻拭いをさせられ続けた里見さんはそうした経験をもって、新入社員は二極化しているのではないかとの仮説を語る。 「世間では『心の弱い』若手社員ばかりが議論されているように感じますが、Aのような唯我独尊タイプのモンスター系・クラッシャー系も多くなっていると思いますね。  良くも悪くも、臨機応変に会社や取引先にあわせられるわれわれのような普通の社員が少なくなっているんじゃないでしょうか。  会社が悪いのか教育が悪いのか、変化の時代のせいなのかはわかりませんが、かつての『会社員の常識』が令和では通用しなくなっているのを肌で感じます」 ===== 「バブル世代が日本を壊した」とはよく言われてきたものだが、「Z世代」の評価は一体この先どう転んでゆくのだろうか。  話を聞いていると、「日本経済にトドメを刺した」とされるのか、「ジリ貧を覆した救世主」とされるのか、これまた両極端な評価ばかりをつい予想してしまう。 <TEXT/高橋マナブ>
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている
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