「私、どう考えても日本人じゃないよね」20歳ではじめて自分が“ハーフ”だと知った女性の“出生の秘密”
「自分にしかないもの」に価値を感じる
——ご自身の外見やルーツが、恋愛に影響したことはありましたか?
恋愛面ではそこまで大きなトラウマはないんです。モデルになる前は内気で太っていて、人が寄ってこなかったです。今は電車で見られても「かわいいからかな」と思えるようになりました。昔は「何見てんの」と思ってたのに(笑)。
日本では「ハーフっぽい」って注目されるけど、アメリカに行ったら逆に埋もれちゃうくらい、あっちではよくある顔ですよね。今は「見た目もルーツも武器」と思えるようになりました。
——いまのエリさんにとって、「正解」とは?
ないです。だから、「正解なんてない」。
かつては「日本人らしくあるべき」と思い込んで、髪をまっすぐにしたり、他の子と同じに見せようと必死だったけど、今は「自分にしかないもの」に価値を感じています。
母も「子どもを産むのは若くなきゃいけない」と誰に何を言われても、行動していました。もちろん、不安はあって当然です。母も私の産後すぐに「こんな高齢で育てられるか不安」と自殺未遂をしたと聞いています。
でも、不安なままでいいから、とにかく動いてみてほしい。やってみたら、その先で何かが変わるんです。人生って遠回りした分、充実するから。イヤなことも、経験したほうが絶対楽しい。遠回りでも、不器用でも、自分のペースで生きていけばいいんです。
——エリさんは今年中に60キロマラソンや、富士山をひとりで登頂することにも挑戦する予定だ。「正解なんてない。だから私は、私のままでいい」そうまっすぐに言い切る彼女の笑顔は、「正しさ」に縛られがちな私たちの心を、そっとほどいてくれる。
<取材・文/綾部まと>
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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