仕事

1週間で辞めた新入社員の退職理由にア然。「きちんと挨拶してほしい」と言ったら“パワハラ”扱いされて…

「挨拶してほしい」と伝えただけなのに…

介護・福祉 菅野悠馬さん(仮名・40代)が勤務する介護施設に、女性新入社員Bが入社した。Bは控えめで、目を合わせることも少ないタイプだったという。 「少し距離を感じましたが、新しい環境で緊張しているんだろうと思い、気にせず見守っていたんです。“挨拶の声が小さい”のも、慣れていないから当然だと思っていました」  入社初日から3日間、先輩職員に同行して、施設の見学や利用者とのコミュニケーションなどを学ぶ研修が行われた。この間、とくに問題は見られなかったようだ。  しかし4日目になると、Bの様子に明らかな変化があった。 「利用者や職員への挨拶がなく、こちらからBに声をかけても目を合わせないようになったんです。そこで私は、『きちんと挨拶してほしい』とやんわり伝えました。でも、Bからは返事はありませんでした」  5日目は公休、そして6日目には無断で出勤せず、職場ではBの身を案じる声が上がるほどだった。

小さな声かけが大きなすれ違いに

「シフト上は出勤日になっていましたが、電話をしてもつながらず、職員みんなで心配していました。すると、7日目の朝、『辞めようと思います』とBから連絡があったんです」  辞める理由は、菅野さんから「挨拶してほしい」と注意されたことがイヤだったから、というもの。Bの意志は固く、退職を受け入れることになった。 「驚いたのは、本社から私に“パワハラの可能性がある”として、“パワハラ研修”の受講を業務命令として告げられたことです。これは、とてもショックでしたね」  “世代の違い”や“感覚のズレ”は、どこの職場にもあるが、たったひと言の声かけが、ここまで“大きなすれ違い”を生むとは思っていなかったと、菅野さんは吐露。 「新入社員が辞める理由はさまざまだと思います。でも、この経験を通して、“価値観は人によって違う”ということを、深く考えさせられました」 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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