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正社員の4割以上が“最低限の仕事しかしない”「静かな退職」に走るワケ…リストラを免れ、最強の窓際社員になる方法

企業が許容できるのはステルス窓際社員

40歳OVER[静かな退職]生存戦略日産が約2万人、パナソニックHDが約1万人のリストラを発表。日本企業では「静かな退職」が許される状況ではない。だが、経営コンサルタントの侍留啓介氏は、企業経営の観点から今こそ窓際社員が必要だと指摘する。 「漫画『釣りバカ日誌』の浜ちゃんのように、普段は働かないが、会社がピンチのときに彼の豊富な釣り人脈や並外れたコミュニケーション能力が役立つ。また、稼ぐスペシャリストばかりの会社は多様性に乏しく、環境の変化に弱い。多様性を求められる時代だからこそ窓際社員は組織にとってヘルシーな存在なんです」

最強の窓際社員を目指すなら…

とはいえ、わかりやすい窓際社員はリストラの標的になる。前出の海老原氏は、最強の窓際社員を目指すなら「戦略的に居場所をつくることが肝要」と説く。 「日本企業の多くが採用する職能等級制度をハックするんです。等級レンジの上限まで来たら仕事をセーブして昇格を免れ、同じ職位にとどまる。一度昇格してから降格した社員は仕事もなく不要になってしまうが、戦略的に昇格しない人は現場にとどまるので実務能力は維持される。ただ、定期昇給の廃止が囁かれる昨今、この手法が使える時間は残り少ない」 降格した社員は悪目立ちするが、初めから昇格しない窓際社員はステルス化する。新たな勝ち組の形がここにある。 40歳OVER[静かな退職]生存戦略 【健康社会学者 河合 薫氏】 全日空CA、気象予報士を経て、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。近著『働かないニッポン』(日経BP)ほか著書多数
40歳OVER[静かな退職]生存戦略

健康社会学者の河合薫氏

【雇用ジャーナリスト 海老原嗣生氏】 大正大学特命教授。リクルートエイブリックなどを経て現職。近著『静かな退職という働き方』(PHP新書)ほか著書多数
40歳OVER[静かな退職]生存戦略

雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏

【経営コンサルタント 侍留啓介氏】 バロック・インベストメンツ代表取締役。近著に『働かないおじさんは資本主義を生き延びる術を知っている』(光文社新書)
40歳OVER[静かな退職]生存戦略

経営コンサルタントの侍留啓介氏

取材・文/週刊SPA!編集部
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