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夏前にしておくべき「家のゴキブリ対策」を専門業者に聞いた。“部屋への侵入経路”や“効果のない対策”が明らかに

戦わずして勝てる?Gの侵入経路を解説

換気口

古い住宅によく見られる床下換気口。Gはこの隙間から侵入することができる

大野氏がGの主な侵入経路のひとつとして指摘するのが床下換気口だ。床下は湿度が高く、Gが寄り付きやすい場所のひとつだという。 「最近の家は床下の地面がコンクリートの『ベタ基礎』で、ひと昔前から換気口の形も変わっていますが、それでもGは自由に出入りできます。 和室などがあって、隙間の多いつくりの家だと、簡単に床下から床上へと上がってくるので、やはり古いタイプの物件ほどGは室内に出やすいです」 戸建ての駆除依頼では、メッシュ状のカバーで床下換気口を覆うだけでも大きな効果が確認される事例もあるそうだ。

住宅と屋外をつなげる穴を要チェック

洗面台の排水管

洗面台の排水管

また、排水管と排水口も要チェック。排水管や排水口は、下水から臭いや害虫が上がってこないように水を溜めて蓋をする仕組みになっているが、数ヶ月単位で留守にしていた部屋などでは、これが上手く機能しなくなっている場合がある。
排水トラップ

通常は水の蓋で害虫の侵入を防いでいる

「長く買い手のつかない空室で、水の蓋が干上がって『ワモン』が隣の部屋まで広がっていたケースもありました。 加えて、古いワンルーム物件などに多い水回りの手抜き工事にも注意が必要です。シンク下のホースと下水管へとつながる塩ビ管の接続部分の隙間を埋めず、ほったらかしの業者がたまにいます。シンク下の扉を開けて下水臭がしたら、このパターンを疑ってください」
隙間が埋まってる

排水管下部の隙間が埋まっている例

同様にエアコンの冷媒ホースなどを外へ通す穴に隙間ができている場合もあるという。 「一般家庭ではどんなに気をつけていても、とくに『クロ』の侵入を完全に防ぐには限界があります。 『クロ』の飛翔能力は高くないので、戸建てより集合住宅で階数が上の部屋ほど室内に現れる確率は下がりますが、壁や排水管を伝ってベランダなどに迷い込むことも考えられます」
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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