ライフ

夏前にしておくべき「家のゴキブリ対策」を専門業者に聞いた。“部屋への侵入経路”や“効果のない対策”が明らかに

G駆除の2大ポイント

基本的なことだが、ゴミやモノが多いとGが好んで隠れられる場所が増えるため、部屋を片付けて衛生的な状態を保つことは大切だ。 「『チャバネ』は5mm、『クロ』は1cmほどの隙間が一番落ち着く。飲食店の場合、厨房機器の下周りと、厨房機器と壁の隙間にゴミが多く、すべて除去する必要があります。そのゴミ掃除だけで3時間くらい掛かることもあります。 すべてのゴミをかき出さないとGをすべて殺し切れないし、新たな個体が入り込んですぐに数を増やしてしまいます」 毒餌を置く際はいかにGが毒餌に巡り合うかがポイント。多ければ多いほど効果的だが、侵入経路や習性を踏まえて設置することも大切だ。Gは空気が澱んでいて、暖かくジメジメした暗い場所、触角が2つの面に当たる隙間などを好み、移動時も隅を歩く習性があるという。 「飲食店の駆除作業では毒餌を1000か所に打ち付けることもありますが、一般家庭では数個から10個もあればいいと思います。Gは脱皮に油分が必要で、水も生息の絶対条件ですが、油分でベタベタした面や埃の上は脚を取られるので意外と歩きたがりません。Gの気持ちになって部屋の四隅や壁・床の隙間、冷蔵庫や水回りの付近などにも置きましょう」
キッチン・水回り

キッチン・水回りは重点的に毒餌を置くべき

毒餌がGを誘き寄せられる範囲は製品状態や設置場所によって異なるが、20cm程度を目安に考えておいた方がいいそうだ。その効果は開封直後が最も強く、1ヶ月もすると誘き寄せるための臭いが薄れてしまう。 「基本的に毒餌タイプならどのメーカーでも構いません。ただ、毒餌の中には乾燥で硬くならないようにグリセリン入りのタイプもあるんですが、グリセリンに忌避性を示す個体もいる点は留意すべきかもしれません」

Gにまつわる都市伝説は本当か

「“毒餌を置くと外のGまで引き寄せてしまう”という都市伝説がありますが、そこまで強い誘引効果はないです。それくらい誘き寄せてくれるなら、我々も苦労しませんよ」 ちなみにGは部屋などが暗くなって1時間後が最も活動的になる習性もあるという。就寝中に口の中へ入り込んでくるなんて話もあるが……。 「確率はゼロではありませんが、そんな大胆な行動をする個体は極めて稀でしょう。服にくっついて部屋に侵入するといったことも考えにくい。ただ、飲食店で従業員の鞄の中などに入り込むことはあり得ますね」 Gの習性を頭に叩き込んで夏に備えたい。 <取材・文/伊藤綾>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
1
2
3
4