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台東区の“サグラダ・ファミリア”で、トレーラー式薪ストーブと樽水風呂に優しく包み込まれる【ミスSPA!2024 堀りま/ベストサウナvol.58】

週刊SPA!主催の新人発掘オーディションを勝ち抜いた「ミスSPA!2024」たちによる、連載「ベストサウナ」。第58回は『湯どんぶり 栄湯』をレポートする。

銭湯界のサグラダ・ファミリア

ベストサウナ●今回のサウナー・ミスSPA!2024 グランプリ 堀りまちゃん ’03年、東京都生まれ。T157 B83 W64 H93。2ユニット制のアイドルグループ「柑橘クーベルチュール」のメンバー

老舗銭湯で味わえる、土日限定トレーラー式薪サウナ!

ベストサウナ

設定温度は80~90℃。5~6分に一度のセルフロウリュが推奨され、かけるほど熱くなる

「あしたのジョー像」をランドマークとする台東区日本堤で、80年以上の歴史を持つ「湯どんぶり 栄湯」は、’17年の大規模リニューアルを皮切りに、サウナ室や水風呂を幾度となく刷新。“今が最良”を更新し続けるその姿勢は、まさしく“銭湯界のサグラダ・ファミリア”である。  最も新しいアップデートは、昨年末に新設されたトレーラー式薪サウナだ。現在は、土日限定で完全予約制の運用ながら、その本格仕様が話題を呼んでいる。蓄熱性の高いトレーラーに、Harviaの薪ストーブを採用しており、優しくもしっかりと包み込まれる熱が魅力的。ストーブに使用する薪は秋田の雪国で育った樹。火持ちが良く、サウナ室全体に豊かな薫りが漂う。これが都内の銭湯で味わえるなんて、なんて幸せなことか。
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天然水が全身を優しく包みこむ樽水風呂

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外気浴スペースにはアディロンダックチェアが並ぶ

 クールダウンは、トレーラー前の樽水風呂で。国産ヒノキを使った特注品で、水深は165㎝。約18℃の井戸水を掛け流しにしており、柔らかな肌あたりが心地よい。専用のととのいチェアも豊富に置かれているので外気浴の満足度は高い。  また、基本となる浴室サウナ室は、男性側(約95℃)がheloの電気ストーブと遠赤外線ガスストーブ、女性側(約98℃)もMETOSのikiストーブと電気ストーブを組み合わせたダブルストーブで、いずれも15分おきのオートロウリュ&オート熱波を備えた、高温×高湿の強烈な熱さ。トレーラーと男女浴室で、ガス・電気・薪という3種の熱源、有名3メーカーのストーブを使い分ける遊び心も楽しい。温浴も天然温泉で浴槽が10種類。炭酸泉の浴槽に麦飯石、露天の美泡水風呂に十和田石を用いるなど、細部へのこだわりがすごい。
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窓からスカイツリーを望める男湯サウナ

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トレーラーは女湯露天の奥にあるため、男性利用枠が少なめ。男女入れ替え制の導入を検討中

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男湯露天には細かな気泡が羽衣を剥がす美泡水風呂。女湯露天にも変わり種の電気水風呂あり

 リニューアルの計画はとどまることを知らず、間もなくランドリースペースを改修した待合室がお披露目される。1000人超が参加するオンラインコミュニティ「湯どんぶりの待合室」と連動しながら、リアルでも交流と居場所を育む姿勢が、なんとも栄湯らしい。まだ先の計画ではあるが、混雑しがちな男性露天の外気浴エリアの拡張も予定されているというから驚きだ。時代に合わせてしなやかに変化しつつ、地域の銭湯としての温もりはそのままに。「お客さんに喜んでもらいたい」が原動力と話すその姿勢こそが、「湯どんぶり 栄湯」の持つ、魅力なのかもしれない。 ベストサウナ ベストサウナ
<取材・文/森野広明 撮影/日暮翔>
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