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頭から流血、骨折も多々 「酒の失敗がなければ、とっくに結婚できていた」48歳女性が「恋愛リアリティーショー」に出演したワケ

恋愛はしたいが…

――現在は“ダメ人間生活”を謳歌するゆきえもんさんですが、昔は仕事の鬼だったと伺っています。 ゆきえもん:確かに、若いときは恋愛そっちのけで仕事をしていました。イベントプロモーターとしての仕事が面白くて、表舞台に立つこともあれば、裏方に回ることもありました。休日も地方出張が多くて、6年付き合っている彼氏の誕生日も一緒に祝えなくて、それがきっかけで彼氏が拗ねたのが面倒くさくなってお別れしてしまいました……。そのあとはハワイアンの飲食店を出すのが夢で、いくつかの店で修行をしました。常連客ともすぐに仲良くなれて、活気のある職場が大好きでしたね。 ――話を伺っていると、恋愛がなくても人生が成立しているように思えるんですが。 ゆきえもん:いや、恋愛はしたいですよ。自分からがんがん行くタイプに見られることが多いんですが、実は私、押しに弱いんです。積極的に来る人に惹かれる傾向があって。 ――『あいの里』でもその片鱗は見えて、意外でした。なぜでしょう。 ゆきえもん:父のことを見ていたからかもしれません。父は母のことが大好きだったんですが、母は別に父がタイプではなかったみたいで(笑)。母は学びたかったけれど経済的な事情で大学へ行けなかったので、結婚するときに「子どもが生まれたらきちんと大学に行かせてあげてほしい」と約束させたらしいんです。父はもちろん約束を履行しましたし、結婚の挨拶のために母の両親のもとに挨拶に来たときも、青森県に住む酒好きの祖父に朝まで付き合った挙げ句、「この一升瓶を飲み干したら嫁にやる」と言われて全部飲んだとか。有言実行の真っ直ぐな男性に惹かれるのだと思います。


ノープランでも人生は充実している

ゆきえもん

『あいの里』出演メンバーとの交流はいまだに続いている

――今後の人生の展望があれば、教えてください。 ゆきえもん:昔から、あまり貯金をしないんですよね。でも周りに恵まれているから、なんだかんだめぐり合わせで生きてこられたんです。何か策を練ったりするタイプではなく、ノープランで気ままに楽しそうな方向へ行く人間なのですが、ありがたいことに、さまざまな出会いがあってこの年齢まで人生が充実しています。私ができることは周囲の人を楽しませることだと思っているので、職業に縛られずに、いろんな人と人生を共有しながら歩んでいきたいなと思っています。 =====  正直に告白すれば、人間ドラマが魅力の番組『あいの里』で、一切の悲壮感を漂わせないハッピーオーラ全開のゆきえもんさんがキャスティングされた理由がずっと謎だった。だがインタビューを終えて思う。過去のつらい体験と深い思考がその人の味わいとなるのは間違いないが、一方で、どんな環境や人間にも瞬時に順応していく彼女の魅力もまた、唯一無二だろう。  ゆきえもんさんは、気を使っていないふりができる気配りの上級者。どんな人といても、どんな瞬間でも楽しい色に染められる。常に他者を気にかけて寄り添う両親の姿を記憶する彼女の本籍は、まさに“あいの里”。現在地を「プー太郎です」と暖かく自嘲する彼女には、肩書さえ要らない。周囲を助け、周囲に助けられ、笑い合う青春の只中をひたすら生きる最強の女性だから。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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