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「新しい学校のリーダーズ」が世界で評価される“決定的な理由”。人の心を動かす“魂で踊るライブ”の凄み

現代社会への怒りが原動力に?

新しい学校のリーダーズ

「新しい学校のリーダーズ」公式Xアカウントより引用

 新しい学校のリーダーズのトレードマークは、メッセージが書かれたハイソックスだ。「青春日本代表」がその筆頭であるが、その中の一つには「脱不寛容社会」と書かれている。  彼女たちは、メッセージ性の強いこのようなグループのコンセプトをいつ生み出したのだろう? 中学生時代から活動しているのだから、最初はただ音楽やダンスが好きな少女の集まりだったはずだ。  きった彼女たちは、インディーズアイドルの活動を続けているうちに、そこに集まる大人たちが抱える、生きにくさを目の当たりにしてきたのではないだろうか。少女だっただけに余計に、現実社会の冷淡さに驚き、怒りを覚えたのではないだろうか。その怒りが、現在の彼女たちの衝動の原動力になっているように思える。

すべては「美しい瞬間」に出会うため

 映画の中で、SUZUKAは「美しい」という言葉をよく口にする。例えば、ファンのリーダーズに対する思いに触れたとき「美しいモノ」に触れたと話す。そうした瞬間に出会うことが、彼女の活動のモチベーションになっているようだ。  彼女たちの振る舞いは、なんだかセイントのようで、感動的であると同時に、とても危うく感じられる。「美しい瞬間」に出会うためならば、何もかもを犠牲にしてしまいそうだ。
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SUZUKAがライブ前にアワビを食べる理由
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1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina

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