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“出生数70万人割れ”の衝撃。若者の余裕のなさは「経済面だけの話ではない」

若者世代に負担を押し付けない少子化対策とは

子どもにかつてないほどコストがかかるいま、必ずしも余裕がない若者世代にその負担を押し付けるのは酷ではないか。この“余裕”は経済面だけの話じゃない。私自身、30代までは一人時間を満喫したかったし、迷走するキャリアを立て直すのに精いっぱいだった。逆に、自分のためだけに邁進した日々があったからこそ、仕事に裁量ができ、飲み会にも飽きて日常がマンネリ化したいま、子育てという新鮮な経験に激しく消耗しながらも心から感謝できている。 寿命が延びた現代人は昔よりもゆっくりと大人になる。そう考えると、40代からがいまどきの子育て適齢期かもしれないのだ。だが、生物としての出産適齢期は昔と変わらない。もし、2つの適齢期を生殖技術の進化ですり合わせられたなら、少子化問題に新たな光が射すのではないか。
山口真由

山口真由


1983年、北海道生まれ。’06年、大学卒業後に財務省入省。法律事務所勤務を経て、ハーバード大学ロースクールに留学。帰国後、東京大学大学院博士課程を修了し、’21年、信州大学特任教授に就任
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