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“中学受験界隈”で広まる「子どもの人生は10歳で決まる」という暴論。子どもを良い大学に行かせる方法は1つじゃない

高校受験の方が偏差値が上がりやすい

高校受験の方が偏差値が上がりやすい さらに、高校受験のほうが偏差値は上がりやすい。中学受験は、首都圏在住のトップ層がこぞって参加するので、公立小学校のテストで100点を連発するような子ですら偏差値50に届かないのが実情ですが、高校受験は上から下までほぼ全員が受けるからです。  さらに、中学受験で「成功」したトップ層は、ほとんどが付属高校へ内部進学するため、高校受験へ参入してきません。ですから、高校受験はトップ層が不在のままで戦うことができます。上から下まで幅広くそろっているので、「偏差値50」を取るのも容易。  中学受験では偏差値40程度だった子でも、中学生向け全国模試では偏差値50~60を取ることも珍しくありません。  勉強のモチベーションの根源は、やはり「できること」です。結果が出るから楽しくなって、もっと勉強したくなる。  少なくとも、私を含めた周りの東大生たちはみんな「できたから勉強は楽しかった」と答えました。 1時間あたりの偏差値上昇量は高校受験のほうが大きい 1時間あたりの偏差値上昇量は、明らかに中学受験より高校受験のほうが大きいでしょう。より子どもたちのモチベーションにポジティブな影響を与えやすいのもまた、高校受験だと考えられます。子どもたちが自分から勉強するようになってくれれば、親は手がかからず、労力も節約できる。

注意すべきは「深海魚」

 もちろん、中学受験の動機すべてが大学進学ではないでしょう。特に私立中高一貫校などには特別なカリキュラムや留学・修学旅行プログラムが用意されているケースも多く、「より洗練された環境で学んでほしい」などであれば、お勧めできます。  ただ、後に控える大学受験でアドバンテージを獲りたいのであれば、中学受験は全くお勧めできません。いい中学に行ったからいい高校に進学できて、そのまま一流大学に進学してくれると思ったら、大間違い。  有名進学校には「深海魚」という言葉があります。成績底辺クラスの学生たちを指す蔑称ですが、こうなってしまうと悲惨も悲惨。勉強がわからないので授業や自習へのモチベーションは最底辺だし、推薦受験に切り替えようにも学校の成績が最悪なので、内申ではじかれてしまう。  もちろん指定校の枠なんて回ってこない。せっかく、中学受験を勝ち抜いたのに、名前も知られていない大学へ進学していく……。これは、珍しい話ではないんです。  鶏口となるも牛後となるなかれ。進学校で牛後となるよりも、普通の学校でお山の大将を気取ったほうが、自信がつきます。もし「自分は勉強ができる」と思い込んでくれれば儲けものです。受験で最も重要な自走の準備が整っているからです。  中学受験を過剰に勧める世間の雰囲気は、ハッキリ言って異常です。「10歳時点で人生が決まる」などという荒唐無稽な脅迫文を許してはいけません。 「中学受験しなくても勝てるのは地頭がいいからだ」と反論される方もいらっしゃいますが、その程度の地頭もモチベーションもないままに、修羅の戦争である中学受験に参入しても、門前払いを食らうだけ。脅しに屈さず、本当に子どものためになる選択肢を選んでほしいものです。 <文/布施川天馬> ※本記事は、『勉強にかかるお金図鑑: 幼稚園から大学まで』(笠間書院)を元に作成されています
勉強にかかるお金図鑑: 幼稚園から大学まで

『勉強にかかるお金図鑑: 幼稚園から大学まで』(笠間書院)


著述家、教育ライター。 一般財団法人「ドラゴン桜財団」評議員。 1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など。株式会社カルペ・ディエムにて、お金と時間をかけない「省エネスタイルの勉強法」などを伝える。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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