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「一回も注意されたことがない」新入社員が、パワハラを受けたと‟ウソの通報”をして社内が混乱…「なぜそんなことをしたのか、いまだに誰もわからない」

パワハラが横行しているというタレコミが…

 それからしばらくして、部署に激震が走る。 「企画部でパワハラが横行しているとして人事部の調査が入ることになったんです。詳細は降りてこないなか、『パワハラがあった』とされていることだけが伝わってきたんですが……。これには困惑するしかありませんでした」  そうこうするうちに、部員間での特定騒ぎが始まってしまう。  「北岡の企画をフィードバックする時なども厳しい言葉は一切使っていませんし、勤務態度について注意したこともなかったんです。北岡から相談を受けたメンバーもおらず、みんな思い当たることがないという状態でした」  のちに明らかになった北岡さんの主張は、驚くべきものだった。 「営業との会議の席で、自分は営業から責められているのに企画部のメンバーは誰も守ってくれなかったというんです。自分にはつらい、無理な仕事を強要された。それが北岡がパワハラだと主張する内容でした」

復職してもらう予定も拒否され…

 だが、工藤さんら部員は北岡さんの主張にまるで納得がいかなかった。 「確かに営業とのMTGではお互いの立場から意見の衝突が起きることがあって、時に営業から厳しい言葉を投げかけられることもあります。ですが、北岡は新人です。営業の批判の矢面に立たせたことなんて一度もありませんでした。MTG中に北岡に意見を言わせたことすらありませんでしたよ」  のちに意見が食い違った理由が明らかとなったが、一同の困惑はより深まることになる。 「自分たちの見解をもとに改めて人事が北岡と話をしてわかったんですが、北岡は営業部に先輩たちが責められているのを見て自分が責められていると受け止めていたようでした。自分は責められているのに誰も自分のことを守ってくれない。それが北岡がパワハラだと主張したものだったんです」  企画部の主張は営業部の話でも裏付けが取れ、会社は北岡さんの主張をパワハラだとは認定しなかった。 「北岡は大学時代も、文化祭の運営に関する他の部門とのMTGなどには参加していなかったようでした。そんなことがあるのかと困惑したものの、仕事自体に慣れてないがために混乱してしまったのだと考え、北岡の体調が戻ったら企画部への復職を受け入れる手筈でした。……でも、北岡に拒否されたんです」
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捨て台詞を残して会社を去っていった
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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