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原付バイクを“あおり運転”した他県ナンバーの車が、警察の取り締まり“定番”スポットで捕まるまで

細道で遭遇した“他県ナンバー”の圧力

木陰のある天気の良い田舎の坂道 通勤時、渡辺直也さん(仮名・40代)は、いつものように原付バイクで職場へと向かっていた。  渡辺さんが使う道路は、高低差が激しく曲がりくねっているという。そのうえ、小中学校の近くを走る通学路にもなっており、スピードを出せるような場所ではないそうだ。 「子どもの飛び出しも多い道なので、交差点ではいつも減速しています。このエリアでは原付の利用が多くて、車なんてほとんど走っていません。車はみんな幹線道路を使いますからね」  ただ、その日は違った。後ろから勢いよく迫ってくる車がミラー越しに映ったのだ。ナンバープレートを見ると、見慣れない“他県ナンバー”だった。  渡辺さんは“きっとショートカットしようとして、迷い込んだんだろう”と思ったのだが、その車は車間距離も取らずに、ピタッと張りついてきたのだとか。 自動車のクラクションを鳴らす高齢者 道幅が狭くて簡単には譲れないため、無視して走っていた渡辺さん。すると相手は、ついにクラクションの連打をはじめた。 「相手は完全にキレてましたね。さすがに身の危険を感じました」  なんとかバイクを脇に寄せて、渡辺さんは道を譲ることにした。するとその車は、通りすぎる際にもクラクションを浴びせたという。 「まるで“勝った”とでも言いたげな様子でした」

地元民だけが知る交差点の罠

 その直後、渡辺さんの脳裏には、道の先にある“罠”が浮かんだ。 「細い坂道を抜けた先にあるT字交差点なんですが、地元じゃ有名な“取り締まりスポット”なんです。直進側に一時停止がある変則交差点で、左折が優先。でも他県ナンバーはまず引っかかります」  しかもその日は、タイミングよく警察官が待機していたようだ。案の定、その車は“その罠”にまんまとハマっていたという。 「気づいたときには、もう警察に止められていました。完全にアウトでしたね。自分中心の運転をする人に、ちゃんと制裁が下るとスカッとします」  無茶な運転には、最終的に“オチ”がつく……そう思いながら、渡辺さんはアクセルをゆっくりと踏み、安全運転を続けた。 「仕返しってほどじゃないけど、合法的に“勝った”って感じでした」 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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