スポーツ

「23歳で“50-50”の可能性も」大谷翔平超えの貢献度…MVP候補「PCA」の衝撃実力

守備と走塁で圧倒的な存在感を放つPCA

 先述したように、PCAの最大の売りは守備と走塁。特に天性のスピードを生かしたセンターの広い守備範囲はメジャーでも1、2を争う。両リーグトップを誇る刺殺数が何よりの証拠だ。  おまけに肩の強さもメジャーで5本の指に入るレベル。補殺数はまだ3個にとどまっているが、PCAの強肩を恐れて走者が進塁をあきらめる場面も多い。  そして走塁面でも、65試合ですでに21個の盗塁を成功させており、失敗は3回だけ。成功率もリーグ上位である。もちろんトップスピードの速さも折り紙付きだが、何より際立っているのが走塁技術だ。

「50-50」の可能性も

 このようにPCAは、「走」と「守」においてメジャーでもトップレベルのインパクトを残しているが、今季は打撃もそれに追いつく勢いである。打率こそ.277と大谷に比べるとやや低いが、本塁打の数は昨季の10本をすでに大きく上回り、すでに17本に到達。  ここまでの本塁打と盗塁の数をシーズン162試合に換算すると、「41本塁打×51盗塁」。つまり、後半戦にかけて本塁打のペースを上げていくことができれば、大谷に次ぐ史上2人目の「50本塁打×50盗塁」も視野に入るというわけだ。  もし23歳にして大谷と同じ偉業を打ち立てれば、間違いなくスター候補から“候補”の2文字は外れるだろう。そして、PCAがたとえ「50-50」に達しなくとも、守備での貢献度を考えれば、大本命・大谷からMVPを奪取する可能性はあり得る話だ。  両親ともに俳優という芸能一家に育ったPCA。大谷を脇役に押し退け、23歳にしてナ・リーグの“主演男優賞”に輝くことになるのだろうか。 文/八木遊
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
1
2
【関連キーワードから記事を探す】