外国人観光客が居酒屋の“お通し代”に「クレイジー!」対応に苦慮する飲食店の嘆き
インバウンド需要に沸く日本。しかし、日本と海外では常識やマナーに関する認識が異なることも多く、全国各地の飲食店では外国人観光客の対応に従業員が苦慮する場面も少なくないという。
金倉ももかさん(仮名)は、観光地の中心から少し離れた居酒屋で、外国人観光客のグループと従業員のトラブルを目撃した。
「どこの国かはっきりとはわかりませんが、インドかネパール、あるいはスリランカ系の6人組が入ってきました」
その店には観光客も多く訪れるのか、写真付きのメニュー表が用意されていた。外国人客たちは「コレ、コレ!」とメニュー表を指差して注文していたという。
「彼らは料理の到着を楽しみにしている雰囲気でした」
注文した料理が届く前に従業員から「こちらは“お通し”です」と、テーブルに小皿が運ばれた。
「メンマをおかかで和えたようなお通しは、彼らにとって珍しかったようで、とても大きなリアクションで喜んでいました。アルバイトっぽい店員さんが『お通しはサービスではないです』と簡単に説明はしていたのですが、声が小さく、外国の方々は盛り上がっていたので、“ちゃんと聞こえているのかな?”と少し気になっていました」
それが後に“事件”へと発展する……。
彼らはお通しを口に入れるたびに大きなリアクションをしていた。気に入ったのか、従業員を呼ぶと「もう一回欲しい」とジェスチャーを交えて伝えた。
「店員さんがお通しを人数分運んできて、それを見てまた喜んでいました。他の料理も届き、完食されていましたね」
そして、お会計の時間がくると……。
「急に『ノー!ノー!』という叫び声が聞こえてきて、他のお客さんもザワザワし始めました。やはり、彼らはお通しがサービス(無料)だと思っていたようでした」
お通しは1つ300円で、6人分で1800円、おかわりしていたので、お通しだけで3600円になっていたという。
「まぁ、私もお通しに対して、“勝手に出しといてお金とるのかよ!”って思っていた時期もあったので、納得いかない気持ちもわかるのですが、食べたのだから支払わなければならないものなんですよね」
彼らは「ノー!ノー!ノー!」「クレイジー!」などと大騒ぎ。従業員は困り果てていた。
「店の奥から店長のような人が出てきて、翻訳アプリを使って説明されていました。それで納得したのか店側が何かサービスしたのかわからないですが、なんとか騒ぎは収束しました」
金倉さんは、外国人観光客の大騒ぎに驚きつつも、店側の対応にも改善の余地があると感じたという。
「たしかに、店側もきちんと英語などで説明したほうがいいかなと思いましたね」
お通しのような日本独自の文化は、外国人観光客にとっては理解が難しい部分かもしれない。店側としては余計な手間と時間を要することになるが、事前の丁寧な説明が重要になってくる。
ちなみに筆者(藤山ムツキ)は、インドやネパールを旅していた時期があるのだが、現地の食堂などで定食を頼むと、おかずのおかわりが当たり前で(それも店側から勝手に出してくる)、1回までは“おもてなし”(サービス)として無料のことが多かった。そんな共通点もあるため、彼らは勘違いしてしまった可能性もある。
3600円のお通し代に「クレイジー!」

※写真はイメージです。以下同
会計時に外国人観光客が激怒

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編集者・ライター・旅行作家。取材や執筆、原稿整理、コンビニへの買い出しから芸能人のゴーストライターまで、メディアまわりの超“何でも屋”です。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』『10ドルの夜景』など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ』シリーズほか多数。X(旧Twitter):@gold_gogogo
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