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資産10億円のFIRE投資家が説く「投資で未来予測をしてはいけない」理由。コイントスを“負けない投資”にする方法も

東京23区の中古ワンルームマンション中心に不動産投資を展開。現在、37戸の物件を所有し、時価資産額約10億円、年間家賃収入約4000万円の個人投資家・村野博基氏。投資において「未来を予測し賭けてはいけない」と村野氏は言います。そして、未来は「最高」と「最悪」の間のどこかに着地しするもので、どのような未来でもその“次の”選択肢を持つことが大切と力説します。その真意とは。
コイントス

写真はイメージです

株式投資だけでなく「そもそも未来は読めない」

みなさんは「投資」と聞いたとき、どんな印象を持つでしょうか。多くの方にとっては資産を増やすべく、「値上がりするモノ」を安く買うこと。つまりは「未来を当てる」ゲームになっているのではと私は思います。 株式投資の場合には、さまざまなストーリーを考えて「これからヒットする商品」「業績が良くなる企業」「業界のプレゼンスが伸びる企業」などを探し出すのかもしれません。または有事の「金」も変わらず人気ですし、将来性を見越して「暗号資産」の値上がりに賭ける選択もあるでしょう。 しかし、株式投資に限らず多くの投資では「未来は読めない」という大きな壁が存在します。 そもそも企業業績はそのときのビジネス環境によって変わります。「今、〇〇が流行っているから、このペースでいけばもっと増えるはず」と予測したとして、それが「必ず当たる!」と断言できる方はそうはいないでしょう。飲食業などは特に流行り廃りが早い業態です。2020年代を振り返ると、唐揚げの持ち帰りチェーン店やタピオカ屋、高級食パン屋などが流行りましたが、その後大きく数を減らしています。コロナ禍を経て大きく変化したビジネス環境に翻弄された例と言えます。 全体を見ても日本株の場合には2012年のアベノミクス以降、株式相場は堅調に推移しています。2015年のチャイナショック、2020年のコロナ禍ショックなどがあっても、日経平均株価は高値を更新し続け、結果的に多くのプレイヤーが資産を増やしている状況です。

未来予測で資金を投下するのは「投機」

しかしさらに振り返ると、2008年のリーマンショック直後はバブル崩壊後最安値の6994円を記録、2011年の東日本大震災の直後も日経平均株価は1万円を割れるなど散々たる状態でした。今だからこそ「当時は株価が安かった」と言えますが、当時「15年後には日経平均株価は4万円を越える」と断言できる人はいなかったでしょう。 未来は読めないもの。その時に選んだ選択肢が「良かったのか? 悪かったのか?」は後の”未来”にならないと分からないものなのです。 未来の出来事はそもそも最高と最悪の間のどこかにあるもの。ですが、得てして人は「聞きたいことを聞き、見たいものを見る」という傾向があります。すると将来どうなるかを考える際に自然と「最高の未来」を予測してしまいがちですが……。本来は「未来はこうなる」と決めるのではなく、「こんな未来もあるかも? いや、違う未来もあるかも?」と想像して楽しむのが良いのでは、と思うのです。 そして「未来は分からない」という事実を前提に考えると、その未来予測をベースにして資金を投下するのは、結局のところ精度の差はあるにせよ「投機」です。「上がるのか? 下がるのか?」を当て続けるのはやはりどうしても難しいものではないでしょうか。 では、投資はどうするのがよいのでしょう? 私は投資とは「常に選択ができる状態を維持する事」だと考えています。私はどんな未来が来ても「負けない」ための選択肢を残すことを是として、投資を行っています。
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負けない投資とは何か
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1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち19区に計38戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。著書に『43歳で「FIRE」を実現したボクの“無敵"不動産投資法』(アーク出版)

日刊SPA!にて連載【FIRE投資家が教える「お金・投資」の本質】
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