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BOØWYドラマーが自民議員に激怒「二度と歌うんじゃねえ!!」苦言が突きつける“問い”とは

“こんな奴に俺らの曲を歌ってほしくない”と言うのは自由

 次に、高橋氏が<二度と歌うんじゃねえ!!>と言ったことについて。これにも、“一度曲が世に出たら聞き手の物なんだから、そんなことを言う権利はない”みたいに冷静ぶった意見が出ていました。  しかし、店に客を選ぶ自由があるのと同じで、アーティストが“こんな奴に俺らの曲を歌ってほしくない”と言うのも、それは自由です。もちろん、その発言に強制力はありませんが、そういう好き嫌いの意思を表明する自由までをも妨げることは、本来誰にもできないはずです。  トランプ大統領が選挙キャンペーンで曲を使おうとした際に、ローリング・ストーンズ、ガンズ・アンド・ローゼズ、リアーナ、ファレル・ウィリアムス、ブルース・スプリングスティーン、ニール・ヤングといった名だたるミュージシャンが、楽曲使用のNGを訴えたのは有名な話です。  高橋氏が田村議員に「歌うんじゃねえ!!」と言うのも、それと同じことですよね。ミュージシャンにとって曲は子供と同じくらいに愛しい存在だと言います。だとすれば、汚されたくないと思うのは自然なこと。  そして、政治家の人格を問いただす意味において、それは政策批判以上に効果的だと思います。  というわけで、BOØWYを歌う田村議員の動画を見たところ、これがけっこうイケているじゃありませんか。  高橋まこと氏のおかげで出会えた発見に、感謝。 文/石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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