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研修4日目で「新入社員の母親」が会社に乗り込んできた。手作り弁当を「食べずに持ち帰った」から「いじめられている」と主張…

「恥ずかしかったのではないか」とは言えず…

浜野さんはそういう実態がないことを説明した。が、母親は納得せず、声を荒げながら浜野さんに問い詰めた。 「どうして食べなかったのか。今まであの子が手をつけずに帰ってくるなんてことは、一度もなかったんです!」 憶測で理由を答えることもできた。たとえば、「みんなの前で母親の手作り弁当を食べるのが恥ずかしかったのではないか」と。しかし浜野さんは、相手の感情を逆なでしないよう、冷静に事実のみを伝えた。 「いじめやパワハラの事実は一切ないことを説明しました。ただ、お弁当の件についてはご本人とお話しいただくようお願いしたんです。でも、最後まで納得してもらえませんでした」

母親襲来の翌日から会社に来なくなり…

母親は最後にこう言い残して、会社を後にした。 「もう結構です。こんな会社に、息子をいさせるわけにはいきません」 その日の研修後、浜野さんは今本さんに母親が来社したことを伝え、お弁当について聞いた。 「そうですか……なんか、すみません」 彼はどこか諦めたように、ぽつりとそう言っただけだった。 「翌日から、今本さんは会社に来なくなりました。ご本人の意思だったのか、ご家族の判断だったのかは分かりません。ただ、2週間無断欠勤が続いたため、就業規則に基づき、自動的に退職という形になりました」 浜野さんは、なんとも言えない表情でそう話した。 親が子どもを守りたい気持ちは理解できる。だが、社会に出たその瞬間から、本人の意思や選択が何よりも尊重される世界が始まるのではないか。いったい、誰のための社会人デビューなのか。子か、それとも親か。 <TEXT/山田ぱんつ>
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