更新日:2025年06月27日 12:37
エンタメ

「毒舌キャラは求められていない」青木さやか、タレントとしての“価格”を突きつけられた日。裏方仕事で見えた現実

ーー今、かつてのような毒舌キャラを公の場で見かけないのも、「変わろうとする努力」が関わっているのでしょうか。 青木:「嘘はつかない」は関わっていると思います。「嘘」というとやや強い表現にはなってしまいますが、テレビはやはりショータイムの世界ですから、ときには本心でないことも言わなければいけないことはありました。 今はもう自分の中にも「毒舌・青木さやか」は残っていないような状態ではありますが、自分から毒舌キャラを「降りた」わけでもありません。冒頭でもお話した通り、芸能界での仕事は求められたことに答えるのが基本。 世間からすれば、今の私は「50代」「子持ち」「シングルマザー」といった側面で見られることの方が大きく、もうあの時の「青木さやか」が求められていないということだと思います。 いただける仕事は、自分にとってその時々での「答え」のようなものですから、求められたものにレスポンスする中で今の自分があるという形ですね。

裏方仕事を通じてタレントとしての“価格”を突きつけられる場面も……

’24年7月、大泉洋さんをゲストに迎え北海道旭川市で行われた「with青木さやか」の模様。約1500人の観客が集まった

ーー’24年7月から、「with青木さやか」というトークイベントを定期的に開催されています。運営・制作・出演交渉などをすべてお一人でやられているそうですが、なぜこのようなイベントを始めたのでしょうか。 青木:一番大きな理由は芸能界の中で、受け身でなく仕事を生み出せるようになりたかったからです。芸能の仕事というのはどうしても波があって、仕事がない時も、ありすぎる時もあります。 仕事が少ない時に、違う仕事にチャレンジしてみたことが二度ほどありました。具体的には、お見合いおばさんと、「ソルフェージュ」という子どもに音楽を教える仕事に手を出したんですが、結果的にどちらもうまくは行かなくて。自分にはやっぱり芸能の仕事しかないと思いました。ただ、今までと同じやり方を続けているといくのも苦しい。 そこで、表に出る仕事と、裏方の仕事をミックスさせていくスタイルにチャレンジすることにしました。「with青木さやか」では「その場所で会いたい人」をイベントのテーマにゲストを考えていて、イベントの利益の8~20%ほどはその地域や、動物愛護団体に寄付される仕組みです。 ーーこれまでに大泉洋さん、清水ミチコさん、ゲッターズ飯田さんなどの大物ゲストが多く登場しています。出演交渉は、青木さんが行われているのでしょうか。 青木:はい。お金周りのことは事務所(ワタナベエンターテインメント)に多少サポートしてもらっていますが、交渉は基本的に、自分一人でやっています。 まずはゲストさんとなる方に自分から連絡を入れて出演の打診をし、OKをもらえたらマネージャーさんの連絡先を聞いて、マネージャーの方と打ち合わせをしながら詳細を決めていきます。会場も、自分ひとりで現地まで見に行っています。チケットについては販売会社とやり取りをしながら、販売や情報解禁の日程を決めています。あとは当日のバイトさんの依頼、お支払いもやっていますね。 ーースタッフの仕事をご自身ですべて切り盛りするのは、大変ではないですか。 青木:そうでもないんです。長く芸人をやっているので、売れていなかった時代にはチケットの手売りなんてざらでした。そういう意味では、若手時代の経験も役に立っていると思います。 ーー自ら裏方仕事にも関わるようになったことで、視点の変化はありましたか。 青木:今はもう慣れましたが、初めの頃はチケットの価格について相談していると、今「青木さやか」というタレントに観客が出せる具体的な金額をその場で突きつけられ、傷ついてしまうことがありました。 ただ、今まで知らなった裏方の人たちの苦労も肌身で理解できるようになりました。何事もやって良かったと思っていますし、今後も自分から主体的に動くことは続けていきたいと思います。 2000年代、「女芸人」という生き方を切り開いた一人である青木さん。画面の中では尖っている印象が強かったが、その裏には“求められること”に真摯の答えるプロフェッショナルな姿勢があった。「受け」に留まらず、自身から仕事を生み出していく青木さんの姿勢には、いち社会人が学ぶべき点は多い。 <撮影/山川修一>
一橋大学大学院社会学研究科修了後、『サンデー毎日』『週刊朝日』などの記者を経て、24年6月より『SPA!』編集部で編集・ライター。 Xアカウント: @osomatu_san
1
2
【関連キーワードから記事を探す】