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「なんでこの店を選んだのか理解できない」デート相手の女性が「居酒屋のメニュー」を見た直後に激怒。軽率な“生”が命取りに

メニューを見て様子が急変。なぜなのか

 しかし、店を探し始めたのが当日金曜の昼であるだけでなく、望月さんにとってはあまり土地勘のない駅だった。 「なんでもおもしろがってくれるタイプだと思って、中間地点ながらもお互いにあまり馴染みのない駅集合にしてしまったんです。すると、よさげな店の多くはもう予約が埋まってしまっていました。結局退勤までの隙間時間では見つけられず、集合場所に向かう電車のなかでようやく見つけたのが、レアな焼酎をたくさん置いてあると謳う地鶏居酒屋でした。お酒好きな彼女にもこれならよいだろうと思って。待ち合わせの改札前で電話し、ギリギリで予約できました」  しばらくして現れた川井さんとともに、3分ほど歩いて店に到着。ところが、メニューを開いた途端、彼女は眉をしかめてしまった。 「ずっとコロコロ笑っているような、明るいタイプだったんで『おや?』とは思ったのですが、仕事帰りで疲れているのかなと、最初はあまり気にしなかったんです。ただ、飲兵衛であるだけでなく食べっぷりもよいタイプなのに、全然フードを注文しようとしないし、私が頼もうとするものも『麻人くんが食べたいなら食べて』と、乗り気じゃない。いよいよおかしいと思って、『体調悪いのに無理させちゃったかな。それとも気に障ることをしてしまっているなら教えて』と聞いたんです。なのに、スマホをいじりはじめちゃって」

「なんでこの店を選んだのか理解できない」とメッセージが…

 すると望月さんのスマホが鳴った。 「彼女も触っているしと確認したら、まさに瑠美さんからのLINEでした。『この店で食べたいと思えるものはない。食べられなくもないものはあるけど、そうまでして口にしたくないし、なんでこの店を選んだのか理解できない』と、書いてあったんです。文面なのは彼女なりの配慮なんだなと思って、そのままLINEで理由を聞きました。『よくある得体の知れない“なんちゃって地鶏専門店”の鶏刺しなんて、農学部出身の私は怖くて食べられたもんじゃない』『その鶏を調理したまな板や包丁が流用されているかもしれないから、添え物のレタスやレモンも怖い』とのことで……」  意気消沈する望月さんだったが、LINEの通知は鳴り止まない。 「ちゃんと管理された現地であっても、本人の意思と責任で食べるものなのに、東京のこんなところに無断で連れてこれる神経が無理」 「私の健康を軽視してるのか、単に危機管理能力が欠如しているだけなのかわからないけど、いずれにせよエセ科学とかに騙されないように気をつけたほうがいいんじゃない?」  ……などなど、連投された。  いよいよ望月さんの堪忍袋の緒も切れる。反論しようと必死にフリックしているあいだに、彼女はあっさりと4杯の焼酎を飲み干していた。
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街角では知り合いに間違われ、飲み屋では酔客に話しかけられる性質を持つ。娑婆の声に耳を傾けているうちに、自然と副業ライターになった。本業もまた別ジャンルの書く仕事。ドッペルゲンガーの報告はこれまで30件超にのぼる
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