更新日:2025年07月03日 17:43
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「ココイチ」の客単価は1200円。高級化で“客離れ”が進むも「過去最高益」を更新するワケ

20代よりも50代のほうがカレーを食べる

 要因の一つにカレーという業態の特性があるでしょう。  カレーというと、子供が大好きな食べ物というイメージがあります。そのため、カレーをよく食べるのは若者のように感じますが、実際は逆。年齢層の高い人のほうが食べる頻度は高いのです。  マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングの調査(「カレーに関する調査(2025年)」)によると、20代から60代までの年齢層全体で、月1回カレーを食べる比率は69.6%。20代だけを切り取ると66.9%となります。30代は65.3%で、調査対象となった年齢層の中で最も低くなります。40代から増え始め、50代は平均を超えて71.9%まで高まります。  タニタはランチに関する興味深い調査を行っており(「令和ビジネスパーソンのランチ事情に関する調査 2025」)、年齢層別に「ランチのとり方を決める際に最も重視すること」を尋ねています。それによると、30代で最も多かったのが「価格」で39.0%でした。この数字は30代が突出しており、50代は28.5%まで下がります。そして、50代が最も重視するのが「味」で22.5%なのです。20%を超えているのは、全年齢層の中で50代のみ。

カレー店が力を注ぐべきは…

 カレーとランチに関する意識調査をミックスすると、カレーを食べる頻度が最も低い30代はランチで価格を重視します。一方、平均よりもカレーを食べている50代が重視するのは味です。価格はあまり気にしません。  つまり、ココイチが年齢層の高い人の味覚を抑えていることができていれば、ある程度の値上げには耐えられる可能性があるのです。  このデータからは、カレー店は価格を下げることよりも、味を磨くことに力を注いだ方が流行りやすいことを示唆しています。
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グアムのココイチは「客単価2900円」
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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