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「毎日お風呂に入れない」17歳で生活保護を受給した女子高生が直面した“貧困の現実と自立への道”

就職を機に世帯分離をし独立

©五十嵐タネコ KADOKAWA

そんな生活から抜けるきっかけは、彼女の就職とともに訪れた。高校卒業後の進路は、公務員となることを決め、内定も取ったが、自分が家族を扶養するのかと不安に襲われた。 「私は自分の人生を生きてはいけないのかと葛藤しました。新卒の手取りは14万円程度。だけど、生活保護のケースワーカーさんに直接相談するのが不安で、ボランティアで親しくなった、柳さんに相談しました」 柳さんは、タネコさんが自分の人生を歩む道を応援してくれ、彼女は家族と世帯分離することで、公務員の寮で1人暮らしをすることになった。 「1人暮らしをして一番嬉しかったのは、毎日、お風呂に入れたことでした。初任給で何を買ったかは覚えていません。だけど、自分で働いて収入を得ることがとても嬉しかったです」

漫画化しようと思ったのはあるインフルエンサーの炎上がきっかけ

タネコさんはなぜ、自分の経験を漫画化しようと思ったか聞いた。 「小学校の頃から絵を描くことに興味があり、独学で勉強を続けていました。公務員になった後も、漫画家になる道をあきらめきれず、24歳の時に漫画アシスタントになりました。2021年に、あるインフルエンサーの方が、生活保護受給者やホームレスの方に対する差別的発言をして、炎上をしたことがありました。それがきっかけで、今描かなきゃ!と思いました」 KADOKAWAが主催する2022年の「コミックエッセイ大賞」に応募すると、大賞を受賞した。 『生活保護受給者は怠け者』とSNSで揶揄されるが、受給者には多様な背景がある。「私はこの制度に救われた」とタネコさんは語る。働きたくても障害があり働けない人、抜けたくても抜けられない人もいる。それでも、生活保護は国民の権利だ。かつての自分と同じ境遇の人に、彼女は言う。「家族と共倒れせず、自分の人生を歩んでほしい」。 生活保護は命綱だ。批判する前に、受給者の背景に目を向けてほしい。 <取材・文/田口ゆう>
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ライター・原作者・あいである広場編集長。立教大学経済学部経営学科卒。「認知症」「介護虐待」「障害者支援」「マイノリティ問題」など、多くの人が見ないようにする社会課題を中心に取材する。文春オンライン・週刊プレイボーイ・LIFULL介護などで連載・寄稿中。『認知症が見る世界』(竹書房・2023年)原作者

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