仕事

「立命館大学→大手企業」からホストに転職…母親に「泣きながら反対」されても我が道を貫いたワケ

エリート会社員からホストへ「すべてを捨てた分、仕事に懸ける覚悟は人一倍」

志尊

志尊さんが受け持った生徒は、夏期講習や冬期講習などを受講する子が多く、塾側からも重宝される存在だった

実は以前から「ホストが向いていそう」と周囲から言われていた志尊さん。ホストとして働いていた友人から「接客のセンスあるし、絶対に売れるから一緒にやろうよ」と背中を押され、大阪でホストとしてのキャリアをスタートした。 「これまで積み上げてきた経歴や職歴をすべて捨てて飛び込んだ分、この仕事にかける覚悟は人一倍あったと思います。『なんであのとき、仕事を辞めたの?』と周囲に言われたくないし、むしろ『この道を選んで正解だった』と誰もが思えるような結果を出したいという強い気持ちが売上にも直結したと思います」 その後、拠点を東京に移し、歌舞伎町「TOPDANDY本店」に入店。「なぜ売れ続けているのか」の問いに対し、志尊さんは少し恥ずかしそうに笑いながら、こう答えてくれた。 「根拠はないけれど、自分なら『女性に対する接客業は、頑張れば結果を出せる』という強い確信がありました。実は大学生の頃、塾講師のアルバイトをしていて、勉強が苦手な女子高生たちを多く担当していたんです。そのとき、“塾は楽しい”“この先生に会いたい”と思ってもらえるように接していました」 では、どのようにして生徒たちのモチベーションを高めていったのだろうか。 「まずは、塾に来ること自体のイメージを“苦”から“快”に変えることを意識しました。こそうなると、宿題や復習にも前向きに取り組んでくれるようになりますし、勉強そのものにも前向きになってくれます。そのために、たくさん褒めたり、一緒に楽しんだりすることを心がけました。また、目標と目的を明確にすることも重要です。ここがはっきりすると、生徒のやる気に一層拍車がかかるのです」 すると、志尊さんが受け持った生徒たちは自ら進んで塾に通い、宿題にも積極的に取り組むようになった。 「塾講師を通じ、人を惹きつけて動かすという点で、自信を持つことができました。振り返ってみると、あのときやっていたことはホストの仕事と重なる部分があったのかもしれません」

ホストを猛反対していた母親とは北海道旅行に行く仲に

志尊

仕事においては、あえて明確な目標を設けていないという。「目標を定めていない分、見失うこともない。だからこそ、目の前のことに全力で向き合えています」

人気ホストとして活躍している志尊さんだが、家族の中でも、特に母親はホストになることに強く反対していたそう。 「当時は本気で泣いて止められ、『東京に行かないで』とも言われました。しかし、ホストを始めて3年半が経って、いまだに認めてくれたとは言えませんが、以前より関係はずっと良くなっていると思います」 昨年、母親が60歳を迎えた際には、2人で北海道旅行へ行くなど、今では親子の時間を大切に過ごせているという。また、名古屋に帰省したときはおいしいご飯をごちそうするなど、できる範囲で親孝行を心がけている。 「母は今でも『新聞配達や工場で働いているあなたのほうが応援しやすい』と言うことがあります。でも、旅行に一緒に行けるくらいの関係になったこと自体、すごくありがたいなと思っています」 そんな志尊さんが、ずっと変わらず胸に抱いているのが「幸せな家庭を築くこと」という目標だ。 「仕事柄、公の場で語るべきことではないのかもしれませんが、この目標だけは変わることがありません。将来は、当たり前のようでいて、あたたかく、平和な家庭を築きたい。今は仕事に全力を注いでいますが、いつかそんな日々が訪れることを夢見ています」 <取材・文/橋本岬>
IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです
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