更新日:2025年10月03日 15:59
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早起き、90分サイクルは体を壊す!大ウソだらけの睡眠5つの常識

夜型の人にとっては迷惑な常識

2つ目は江戸時代からの常識、「早起きは三文の徳」。健康な人や成功者ほど早寝早起きというイメージも大きい。 「それは朝型の人に限った話。夕方以降に調子が良くなる夜型の人にとっては迷惑な常識です。朝型か夜型かといったクロノタイプ(体内時計の特性)は、年齢によっても変化しますが、ほぼ遺伝子によって決まっており努力や習慣では変えられません。早寝早起きは、万人にとって良いわけではないのです」 では「朝型のほうが効率的」というのも、ウソなのか? 「これも朝型の人ならそうでしょう。でも、夜型の人が無理に朝型に合わせようとしても体に備わった生理と反するため、かえって非効率的。朝型優位の社会は、生まれつき夜型の人にとってはジェンダーを押し付けられるのと同列の、差別に近いのではないかと思うほどです」 睡眠の質の向上には22時〜夜2時までの「ゴールデンタイム」に寝ろという説も定番だが……。 「これこそ睡眠都市伝説。入眠してすぐ訪れる深い眠りの際に成長ホルモンが最も分泌されることを指して言われはじめたのでしょうが、早く寝ようが明け方に寝ようが、ホルモンの分泌には関係ありません。何時に寝ても、最初の睡眠周期に深い睡眠をとることが重要です」

寝苦しくて睡眠不足になるほうが、よほど体に悪い

親世代や冷えが気になる女性の中には、「エアコンは睡眠の敵」「エアコンをつけたまま寝ると起床時ダルい」という人も多いが、暑さに耐えて寝るメリットはない。 「寝苦しくて睡眠不足になるほうが、よほど体に悪い。ノンレム睡眠に入るためには、深部体温が下がることが必要です。快眠に最適な室温23〜25℃、湿度40〜60%を保つようエアコンは大いに活用すべき。ハーバード大学では、エアコンのない古い寮とエアコンのある新しい寮で寮生の成績に大きく隔たりがあることがわかり、古い寮にもエアコンが導入されました。スマホや明るすぎる照明と違い、エアコンは睡眠に有効な唯一の文明の利器です!」 睡眠に悩む人ほど寝具や最新ガジェットを駆使し、眠りを改善しようと躍起になってしまう。 「プラシーボ効果で“信じる者は救われる”という側面はありますが、睡眠は脳内でつくり出されるので、『眠れない体験』を繰り返すと、不安や焦りを脳が学習してしまい、ますます眠れない悪循環に陥ります。寝る直前までスマホを見て、起き抜けに睡眠スコアに一喜一憂するくらいなら、毎日1時間でも長く眠ることを目指すほうがよほど睡眠不足解消に効果的です」 思い込みの「正しさ」を捨て、自分の最適を見つけ出すのだ!

睡眠にまつわる5つの大ウソ

①「90分単位で寝るのが良い」 ②「早寝早起きは三文の徳」 ③「朝型のほうが効率的」 ④「睡眠のゴールデンタイム」 ⑤「エアコンは睡眠の敵」
短期集中連載  異端の常識01 “正しい睡眠”が 体を壊す!

睡眠の状態は筋電図や脳波などを同時に計測する「ポリソムノグラフィー」という装置を使って判定され、覚醒・ノンレム睡眠・レム睡眠を時間に沿って記録した「時間経過図」によって可視化される。眠りの深度まで計測できるとうたう睡眠計測ガジェットやアプリも散見されるが、「脳波を計測しなければ正確な睡眠状態はわからない」と櫻井教授

取材・文/仲田舞衣 撮影/高橋宏幸
―[異端の常識]―
さくらいたけし◎1964年生まれ、東京都出身。筑波大学大学院在学中に、血管収縮因子を研究。1998年にテキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターで柳沢正史教授と共に睡眠・覚醒を制御するオレキシンを発見。冬眠に関わるQニューロンも発見した睡眠研究の第一人者。著書『睡眠と覚醒をあやつる脳のメカニズム~快眠のためのヒント20~

睡眠と覚醒をあやつる脳のメカニズム~快眠のためのヒント20~ 睡眠と覚醒をあやつる脳のメカニズム~快眠のためのヒント20~

快眠のヒントとなる具体的な20のヒントを紹介しつつ、脳の情報伝達、神経科学の最新研究から睡眠の本質とメカニズムまでを解説。睡眠不足や根本的な睡眠改善を目指す人に最適な一冊だ

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