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参院選で自公大敗、石破政権の迷走が「右派ポピュリズムの台頭」を許した、戦後80年の政治的転換点

ポピュリストへの養分を与えただけだった

 リベラル派には受け入れ難い現実だが、極端に振り切った右派ポピュリズムの政治的な台頭を抑え込んでいたのは故安倍晋三長期政権の存在だったのではないか。安倍氏は国家観も含めて筋金入りの保守派だが、同時に経済、外交、安全保障の必要性を熟知したリアリストでもあった。そんな安倍氏だからこそ、保守勢力をまとめ上げられたと思えるのだ。  しかし、戦後80年を目前に控えた石破茂政権にそうした力量はなかった。中道寄りの政治姿勢は明確だったが、保守層は離れ、政策は迷走した。経済重視で国民負担を減らす手立てを取る、あるいは外交巧者でトランプ政権と丁々発止で渡り合いながら他国との交渉をまとめ上げる、といった成果が出ているのならばまだよかった。だが、内政では中途半端な給付金政策にこだわり、不安定な国際情勢のなかで希薄な存在感は、むしろポピュリストへの養分を与えただけになった。  ポピュリストは問いを投げかけはするが、正しい解を持たない──。これもまた現実だ。彼らはなぜ支持されるのか。その意味を分析し、課題と解を提示することが政権に求められるのだが、果たして担い手は誰になるのか……。
石戸諭

石戸諭


ノンフィクションライター。’84年生まれ。大学卒業後、毎日新聞社に入社。その後、BuzzFeed Japanに移籍し、’18年にフリーに。’20年に編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞、’21年にPEPジャーナリズム大賞を受賞。近著に『「嫌われ者」の正体 日本のトリックスター』(新潮新書)
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