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上智大中退後、アルコール依存&生活保護受給者に…「人生の迷子だった男」が年商85億円企業を創るまで

上智大学を中退し帝拳ジムでプロボクサーを目指す

高浜敏之上智大学法学部に入学した高浜氏は、アルバイトをしながら、本格的にプロボクサーを目指し、大学キャンパスの近くにあった名門の帝拳ジムに所属する。 「辰吉丈一郎(WBC世界バンタム級世界王者・大阪帝拳)さんや鬼塚勝也さん(WBA世界スーパーフライ級王者・協栄ボクシングジム)が活躍していて、ボクシングブームの頃でした。父は学歴をつけることを望んでいたので大反対しました。その頃には、父は再び不動産会社の社長になっていて、実家は一転裕福になっていました。それなので、ボクシングに専念し、大学は2年で中退しました」 帝拳ジムで期待の練習生と目されていたが、プロになる手前で、挫折。そこから、高浜氏は、人生の迷子となってしまう。

慶応大学の哲学科に進学するも父は末期がん

ボクシングに挫折した高浜氏は、23歳の時に、慶応大学文学部哲学科に入学し、人生を考え直そうと思った。 「学校の先生になろうと思っていました。だけど、父の末期がんが発覚し、またバイト尽くしの生活になったんです。新聞奨学生(新聞社系列の奨学会が提供する奨学金制度を利用して、新聞販売店で働きながら学校に通う学生のこと)になりました。それなので、卒業まで7年間かかっています」 大学で文学・哲学・人間学を学んだ高浜氏は、哲学や文学など学んだ学問が活かされる仕事に就きたいと思うようになっていった。周囲には、作家を目指し、介護で生計を立てて行こうとする友人も多かった。介護の世界に興味を持ち始めた。 30歳で大学を卒業すると、「自立ステーションつばさ(代表:現参議院議員・木村英子)」に入社し、重度障害者の支援にあたる。 「介護の世界のホスピタリティーの奥深さに惹かれました。重度訪問介護のジャンルは、当事者が自ら闘って作ってきた部分があります。『人生は闘い』と思っていた自分は、今度は、世の中を変えていく闘いをしようと思いました」 そんな高浜氏の中で、病がじわじわと進行していた。
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10代後半からの飲酒がたたりアルコール依存症に
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ライター・原作者・あいである広場編集長。立教大学経済学部経営学科卒。「認知症」「介護虐待」「障害者支援」「マイノリティ問題」など、多くの人が見ないようにする社会課題を中心に取材する。文春オンライン・週刊プレイボーイ・LIFULL介護などで連載・寄稿中。『認知症が見る世界』(竹書房・2023年)原作者

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