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購入者の6割が“箱買い”。栄養ドリンクの「リポビタンD」が、エナジードリンク台頭の時代に守り続けているもの

「疲れが取れない」と感じる人生の転機に寄り添う

大正製薬そんななか、リポビタンDは、ライフステージの変化や生活環境の移り変わりによって、「疲れが取れなくなる時に飲み始める」ことが分かっている。具体的にはまず、22歳〜24歳の社会人になりたての時期が最初の山となっており、自由な生活を送っていた大学時代から急に規則的な社会人生活に変わり、疲労が蓄積しやすくなることでリポビタンDを手に取る機会が訪れるという。 そして2つ目は、結婚や子育てなどライフイベントが重なる29歳前後の時期。家族中心のスタイルに変化し、思うように休息が取れなくなるため、リポビタンDに頼る人が増えるそうだ。 「そうしたタイミングで頑張りたい時にリポビタンDを飲むことを選択肢に入れてもらえるようなコミュニケーションやキャンペーン活動を行っています。若年層に対しては、剤型を変えてゼリータイプを発売し、気軽に購入いただけるような商品ラインナップを揃えています。また、キャップが固くて空けにくいという声もいただいておりますので、品質は保持しながらキャップを開けやすく改良するなど、細かな改善も進めています」 エナジードリンクやゼリータイプの市場が拡大し、さらには生活者の成分に対するリテラシーが上がっているなかで、いつまでもリポビタンDというブランドを知ってもらうためにゼリー飲料を発売したという。しかし、藤井さんは「もっと反響があっても良かった」と悔しさをにじませる。 「我々は“茶瓶”に誇りを持っていた部分もあったので、どうしても市場のニーズに合わせた形でゼリータイプの製品を発売できなかった背景があります。もっとタイミングが早ければ、状況も少し違ったとは思いますね。ただ、多くの既存ユーザーの方に支えていただいているのは変わりませんので、そこはしっかりと抑えたうえで、新規ユーザーも獲得できるように創意工夫していこうと考えています」

毎年完売する限定デザインのリポビタンD

季節限定のリポビタンD

季節限定のリポビタンD クリスマスボトルとバレンタインボトル

製品開発に関しては、毎年いろんなラインナップを展開しているが、シーズナルに合わせた限定品も出しており、それが非常に好評を博していると藤井さんは言う。 「バレンタインボトルやクリスマスボトルといった限定デザインの商品は、2014年から発売していて、現在はオンライン限定で展開しています。どちらも毎年デザインを変えていることもあり、販売開始から早い段階で完売してしまうほどです。特にバレンタインやクリスマス当日を迎える前にはすでに売り切れていることがほとんどで、人気の高い製品となっています」 一方でドリンク剤市場は全体的に縮小傾向にあり、特にコロナ禍以降は働き方や人々の価値観が大きく変化し、無理して残業したり土日も働いたりすることが減ったことで、疲れる機会そのものが減ってきている。 藤井さんはリポビタンDを「軽い疲れ」や「ちょっと気合いを入れたいとき」に気軽に飲める存在であることをもっと伝えていきたいと話す。先述した動画やWeb広告、サンプリングなどを通じて、日常のなかでの新しい飲用シーンを提案していくことで、リアルに疲れている人々にリポビタンDを広めていくそうだ。 時代の変遷とともに多様化するニーズに応えるため、ロングセラー製品の挑戦はこれからも続いていく。 <取材・文・写真(人物)/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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