仕事

アメリカの警察官になった日本人女性が“命の危機”を感じた瞬間「いきなり後ろから襲われて、首を絞められ…」

1人でいると撃たれる世界

永田有理さん

YouTubeチャンネル「警察官ゆりのアメリカ生活」より

——アメリカは、日本と比較にならないほど犯罪が多いと知られています。治安が良くはない町に赴任して、日本の警察官の仕事とは、どんな点が異なっていましたか? 永田:まず、普通にパトロールをしている時も、誰かに撃たれるリスクがあります。そのため、常に気を張り詰めて、あちこちに神経を配らなくてはいけません。ちなみに、アメリカに交番がない理由の一つは「警察官が1人でいると撃たれる可能性が高いから」です。 おまけに、尋常ではないくらい忙しいです。日中の勤務では、昼食はほとんどとれません。とれたとしても、外食したら標的になる危険性があるので、私は壁側の席でないと外食はできないですね。背中に誰かいる状況でご飯を食べることは、精神的に難しいのです。

犯人に首を絞められたことも…

——実際に、身の危険を感じたことはありますか? 永田:たくさんあります。例えば1人で勤務していたとき、パトカーを降りてコンビニのトイレに行くと、いきなり後ろから襲われて、首を絞められたことがありました。そのときは、とっさに横を向いて少し息ができるよう気道を確保し、自分の拳銃を取られないようにしつつ、無線の緊急ボタンを押しました。こうすると、巡回中の警察官のなかで、私だけが30秒話せるようになるんです。話せる状態ではありませんでしたが、それで発信場所を探知できます。すぐさま仲間が駆けつけて、なんとか助かりました。他にも、発砲事件の現場に行ったこともありましたが、私に命中したことはなく、こうして今も生きています。  *  *  *  アメリカで警察官の仕事をこなすことは並大抵のことではない。身の危険を感じながら警察官として働き続け、人身売買防止に力を注ぎ、恐怖や孤独を抱えながらも目の前の命に向き合っている永田さん。夢を諦めず、不利な条件すら力に変えた彼女の歩みは、多くの人に「挑戦する勇気」を与えてくれるだろう。 取材・文/鈴木拓也 【永田有理】 日本の高校を卒業後、渡米。現地の語学学校とカレッジを経て、紆余曲折の後にLAPD ACADEMY入学。卒業後はロサンゼルス空港警察(LAXPD)に勤務し、現在に至る。また、NPO団体ラブスペクトラムを立ち上げ、人身売買の防止や被害者を支える活動に取り組む2児の母。Amazon Kindleの著書『実録LA初 日本人女性警察官』2部作がある。
ライター、写真家、ボードゲームクリエイター。ちょっとユニークな職業人生を送る人々が目下の関心領域。そのほか、歴史、アート、健康、仕事術、トラベルなど興味の対象は幅広く、記事として書く分野は多岐にわたる。Instagram:@happysuzuki
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