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“ヘヴィメタルの帝王”オジー・オズボーンの“最高の死に様”。「コウモリの首食いちぎり事件」だけじゃない、型破りな逸話の数々

愛娘・ケリーの結婚を見届けて人生の幕を閉じる

 リアリティ番組『The Osbournes』で爆発的に知名度と好感度を上げたことも、彼のキャリアに大きな影響を与えた。気さくで、気弱で、家族思いの顔が周知され、ものすごい勢いで“愛されキャラ”になっていくのは本当に驚いた。絶対にオジーの音楽を聴いていなさそうなブッシュ元大統領(父親のほう)でさえ、この番組のファンだったという。  特に印象深いのは、愛娘・ケリーとのやり取り。ケリーが「タトゥーを入れたい!」と言い出したとき、「一生残るからやめろ!」と説き伏せているオジーの両腕にめちゃめちゃタトゥーが入っていた場面はあまりにもな“おまゆう”で爆笑した。  ラストライブのバックステージでは、そのケリーがスリップノットのシド・ウィルソンからプロポーズされた。それをを間近で見ていたオジーは「くそったれ、俺の娘と結婚するな!」と割り込んだが、周りにいる者はみんな笑顔だった。もしかしたら「もう、長くない」と身内は知っていたのかもしれない。イカれた生き方をしていたオジーは、愛娘の結婚を見届けてから逝った。公私ともに、これほど見事な幕の閉じ方をした人を私は知らない。  ヘヴィな音楽にユーモアを伴わせたのも、オジーにしかできない芸当だった。ヘヴィメタルのアイコンとして、オジーは唯一無二の存在だった。  1994年、オジーは「I Don’t Want to Change the World」という曲でグラミー賞を受賞している。「俺は世界を変えたくない」と歌ったオジーだが、オジーは間違いなく世界を変えた。突然の訃報にNo More Tearsとはいかないが、オジーを悼んで今夜は月に吠えたい。 <TEXT/寺西ジャジューカ>
1978年、東京都生まれ。2008年よりフリーライターとして活動中。得意分野は、芸能、音楽、(昔の)プロレス、ドラマ評。『証言UWF 最後の真実』『証言UWF 完全崩壊の真実』『証言「橋本真也34歳 小川直也に負けたら即引退!」の真実』『証言1・4 橋本vs.小川 20年目の真実 』『証言 長州力 「革命戦士」の虚と実』(すべて宝島社)で執筆。
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