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「足を踏み入れてすぐに分かる」“ダメな老人ホーム”に共通する5つの特徴。「ここにいる意味がない」退去した高齢者の悲痛な叫び

周囲はしゃべれない人ばかりで孤立して退去

「入院した医療法人の系列の老人ホームに、退院後そのまま入居した80代前半の男性がいました。要介護1と軽度で、認知機能にも問題はありませんでした。ところが、周囲は、24時間看護師が必要な医療的なケアへの依存度が高い人ばかり。寝たきりだったり、重度の認知症で、会話の相手も見つからない環境でした。結果として、その男性は『ここでは自分の居場所がない』と感じ、退去してしまったのです」 このように、たとえ医療法人が運営し医療やケアが行き届いている施設だからといって、自分や自分の親に合うとは限らない。では、こういったトラブルを避けるためにはどうしたらいいのか。

介護で共倒れしないよう老人ホームやプロに頼るという選択肢を

「施設によっては、すでに入居している入居者と、ランチの時間に話したいと言えば、話を聞かせてくれるところもあります。中には、ミスマッチを防ぐために、『いいところも悪いところも話してください』と、すでに入居している入居者にお願いするホームもあります。短期退所は施設側も、利用者も不幸ですよね。そういった“先輩入居者”の体験を聞いてから、入居する方法もお勧めします」 最後に、子世代の心構えを聞いた。 「仕事をしながら親を支えるのは、僕自身も経験がありますが、本当に大変です。『私が看るしかない』と思い込まず、いざというときはプロに頼るという視点を忘れないでほしいと思います。 在宅で介護する場合でも、介護サービスを上手に活用して、できる限り負担を軽くすることが大切です。ただ、身体機能は確実に衰えていきますし、認知機能もゆっくりと低下していくもの。最初はなんとかできていても、少しずつ介護の手間は増え、精神的にも体力的にも追い詰められてしまうことがあります。 子どもが限界を迎えて倒れてしまえば、親も共倒れになってしまいます。だからこそ、老人ホームという選択肢を“持っておく”ことが重要なんです。『うちは絶対に自宅で』と最初から決めつけてしまうと、いざ介護が重くなったときに、逃げ場がなくなってしまいます。無理をしすぎる前に、“任せる”という判断を選択肢に入れておいてほしいと思います」 さらに続ける。 「良いホームか悪いホームかというのは、結局のところ主観的な感覚によるところが大きく、必ずしも“価格”がそのまま“質”を表しているわけではありません。たしかに高額なホームは居室が広く、ラウンジやシアタールーム、フィットネスジムなど共用設備が充実している傾向があります。一方でリーズナブルなホームは利益を確保するために居室をコンパクトにし、共用スペースを最低限に抑えていることも多い。 ただ注意したいのは、そうした“設備の充実度”は、元気なうちは魅力でも、要介護状態になると使う機会が減っていくということです。入居者の状態によって『良いホーム』は異なります。介護が必要になった場合に、ホーム選びのポイントにしたいのは、介護が必要となった時に、どれだけ日々の暮らしを楽しめる工夫がされているか。 スタッフの人数が限られていても、近くの公園に一緒に出かけたり、季節の行事を手作りで演出したりと、入居者の目線で“何をしてくれているか”を具体的に語れるホームは、やはり素敵だと感じます」 介護はある日、突然やってくる。そのときに慌てないためにも、親子ともに納得できる住まいを、事前に探しておきたい。 <取材・文/田口ゆう>
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ライター・原作者・あいである広場編集長。立教大学経済学部経営学科卒。「認知症」「介護虐待」「障害者支援」「マイノリティ問題」など、多くの人が見ないようにする社会課題を中心に取材する。文春オンライン・週刊プレイボーイ・LIFULL介護などで連載・寄稿中。『認知症が見る世界』(竹書房・2023年)原作者

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