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トルネード投法「興南・島袋」、春夏連覇の“その後”。「大学時代の酷使」で輝きを失い…現在は指導者として後進に夢を託す日々

長期離脱によりバランスが崩れ、イップスに

 とくに、開幕カードの東洋大戦で延長15回を一人で投げきり、226球を投げた。その後中1日で東洋大との3回戦に先発し、7回92球を投げる。さらに翌週、中6日で日大との1回戦に先発し、8回122球を投げた。開幕から3連勝したが、島袋の左肘は悲鳴を上げた。左肘内側側副じん帯に血腫ができ、すぐにドクターストップがかかった。  肘が回復するまで、約5カ月のノースロー調整を強いられたのだ。興南連覇のメンバーである大湾圭人は「今まで大きなケガをしたことがない(島袋)洋奨にとって、長期離脱は野球人生初めてで、これによってフォームをはじめ、何から何まで狂ってしまったんじゃないかと思っています」と話すぐらい島袋は大きな代償を負った。  自身の成長とともにバランスが崩れたことにより、イップスを発症する。キャッチボールもまともにできない状況になり、島袋のピッチングは崩れてしまったのだ。その後、なんとか島袋は立て直すが、かつてのピッチングと比較すると物足らなさは否めなかった。

現在は母校でコーチとして活動

 なんとか福岡ソフトバンクホークスからドラフト指名されるが、プロ入り後も苦しむ。「プロになって心機一転、という気持ちにはなれませんでしたね。三軍からのスタートでしたし、コントロールの悪さは変わらなかったです。一度投げることに不安を持ってしまったせいで、引退するまで不安は消えなかったです」と話すようにコントロールはなかなか改善されなかった。その結果、5年間で2登板に終わる。  2019年の引退後はサポートギアを作るメーカーに就職する。その後、興南の事務職員を務めるかたわら、学生野球資格回復の認定を取得。現在も事務職員を務めながら、コーチとしても活動している。グラウンドではおもに投手を担当し、甲子園を目指す選手たちの指導に当たっている。島袋自身、指導のなかで意識していることがあるようだ。 「まずはボールの強さですね。決して『低め、低め』と意識させず、まずは自分の持っている球に強さを求めなければなりません。強いボールを投げられるようになれば、次にその再現性を高める。それができて初めて、コーナーへコントロールする技術を身につけていけばいい」  まずは球速や球威、強度などを高めていくことが必要と話す。島袋が話す内容を再現性高くできれば、数多くの好投手が生まれるだろう。自身の成功体験と苦しんだ面を上手く融合していきながら、さらに強い興南を作り上げていってほしいところである。また、島袋本人はもちろんのこと、現在オリックス・バファローズで活躍している宮城大弥(興南OB)のような投手を輩出してほしい。 <TEXT/ゴジキ>
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Instagram:godziki_55 X:godziki_55 TikTok:@godziki_55 Facebook:godziki55
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