スポーツ

相次ぐ悲劇に揺れるボクシング界。“水抜き”の危険性、疑問視される安全管理…「廃止論」で問題は解決するのか

ボクシングというスポーツの特殊性

 アメリカの作家、ジョイス・キャロル・オーツは、ボクシングというスポーツの特殊性について、こう書いていました。 <野球、アメフト、バスケ。これらの典型的なアメリカ人の娯楽は、“遊び”(play)に関わることだから、明らかにスポーツとして認識される。ゲームなのだ。つまり、人はアメフトをplayするが、ボクシングをplayすることはしない。>(『On Booxing』 pp.18-19 筆者訳)  では、ボクシングとその他のスポーツを分ける、「Play」ではない要素とは何なのか。オーツは、それを<己の肉体における死との対話>であると定義づけています。  だからこそ、競技として成立させつづけるためにも、徹底的に安全を追求していかなければならないのです。  昨年から日本ボクシング界に起きた悲劇は、目を背けたくなるようなボクシングの本質を突きつけているのです。 文/石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4
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