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新幹線でマナー違反の男性に“修学旅行生が放った一言”…空気が一変、車内が笑顔に包まれたワケ

新幹線の車内で激しい口論に…

新幹線 他人のマナー違反を注意した結果、前述のような“心温まるエピソード”で終わるとは限らない。続いて紹介するのは、大きな事態に発展してしまったケースだ。  林田智さん(仮名)は、友人との別れを惜しみながら新幹線に乗り込んだ。  その日は空席が多く、車内はのんびりとした雰囲気。本でも読もうかと思っていた矢先、初老の男性が大きな声で携帯電話をかけ始めたのだ。 「静かな車内に男性の話し声が大きく響き渡り、周囲の乗客は誰もが不快そうな顔をしていました」と林田さんは振り返る。  そんな時、林田さんの後ろに座っていた若い男性が突然、声を荒げた。 「おい、うるせーな!」  通話中の男性は咄嗟に電話を切り、その場で相手を睨みつけた。 「なんだお前!」 「うるさいんだよ!」  口論が始まると、車内の空気はピリピリと緊張感を増していった……。

「俺はヤクザだ」脅迫してきた男性の末路

 林田さんも我慢できなくなり、電話していた男に向かって声を荒げてしまったという。 「大声出すな!」  すると、その男は急にこう言い放った。 「俺はX組のヤクザだ。新幹線を降りたら組員が待ってる。どうなっても知らんぞ!」  林田さんは、“ハッタリ”だと思った。もしも本当に彼が反社会勢力の一員だとしても、このような小さな騒ぎに組が動くとは考えにくい。  そもそも一般人を相手に暴力団の名前を出すのは、明らかに脅迫行為にあたる。  そこで林田さんは冷静に返した。 「それは脅迫罪ですよ」  男はその言葉に驚いた様子で言葉を失った。周囲の乗客も林田さんたちのやり取りに注目していた。  次第に林田さんたちに加勢する乗客が現れ、男を取り囲むような状態となったのだ。 「それでも男は引き下がらず、怒鳴り返してきました。このままでは埒が明かないので、乗務員を呼びにいくことにしました」  事情を話すと、すぐに本部まで報告するという。まさか、ここまでの事態になるとは……。 「やがて次の駅に到着すると、ホームから駅員たちが慌てた様子で駆け込んできました。男は渋々ながらも連行されていきました。駅員たちが車内をまわって、暴力を振るわれていないか、乗客たちに声をかけていました。  毅然とした対応と細やかな気配りに乗客の誰もが安心感を覚え、感謝の気持ちを抱かずにはいられませんでしたね」  新幹線の車内で何かあれば、乗務員に伝えるのがいちばんだ。 <文/藤山ムツキ>
編集者・ライター・旅行作家。取材や執筆、原稿整理、コンビニへの買い出しから芸能人のゴーストライターまで、メディアまわりの超“何でも屋”です。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』『10ドルの夜景』など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ』シリーズほか多数。X(旧Twitter):@gold_gogogo
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