更新日:2025年08月24日 11:47
ライフ

「産んで後悔している」母親からの暴力、社長からの性被害…壮絶な人生を歩んだ31歳女性が信じるもの

母が祖母の頭を殴り、警察が介入する事態に

希音さん 時間軸がやや飛ぶが、希音さんが25歳のときに祖父が他界すると、実家には母親と祖母だけが残った。その後、母親は当時と同じように祖母に暴力を振るい、警察が介入する事態に発展している。 「逆上した母が祖母の頭を殴ったんです。それを聞いた親戚に説得されて、祖母が被害届を出したようです。さすがに我慢してきた祖母も限界だったようでした。その後、母は不起訴処分になりますが、その際に祖母には近づかないように警告が発せられたということです。ただ母には経済力がないので、実家に住み着く形になり、祖母は違う場所に引っ越したようです。祖母はすでに他界していますが、母は当然、葬儀への出席も許されませんでした」

新卒入社した会社の社長から…

 苦しかった青春時代、希音さんがすべてを捧げることで精神的に救われたものこそ、音楽だった。入学した高校は軽音楽の名門校。すべての熱量を傾ける間は、家庭でのつらい出来事を置き去りにできたのだという。 「私の学校は、軽音楽部という名前の響きと裏腹にぜんぜん軽くなくて、死に物狂いで取り組んでいました。先生も音楽理論に精通していたので、かなり難しい音楽の話もきちんと学べて楽しかったですね。同期には現在も芸能界で活躍しているバンドがいるなど、刺激的な環境でした。その後、駒沢大学へ進学したものの、入った軽音サークルのレベルが高校に比べて高いとはいえず、物足りなさを感じた私はソロで弾き語りなどをやっていましたね」  ソロの弾き語り活動は、大卒後も続く。フルタイムで働き、土日は音楽活動をする日々がしばらく続いた。だが新卒で入社した会社において、上向きかけた希音さんの人生に再び陰が忍び寄る。 「いわゆるITベンチャーに入社しました。上司との意思疎通がうまくいかず、悩んでいたとき、社長から『相談に乗ろうか?』というメールが来たんです。忙しくて夜しか空いていないというので、食事も兼ねて話を聞いてもらうことになりました。すると、数軒飲んだあと、社長が持っているマンションに連れて行かれて、性被害を受けました」
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損害賠償を請求し、退社。その後は…
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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