2回目の引退と現在の新たな挑戦
――2回目の引退で見えてきたことはありますか?
音市:一度、落ち込んだことで自分のやりたいことが明確に見えてきました。コロナ禍の時に働いていた飲食店が影響を受けたんです。そこで、次の人生で「何をしたいか」「何ができるか」って考えたら、ファンの人がずっと支えてくれていたことを思い出し、誰もが辛い時期に、少しでもみなさんの笑顔のお役に立てたらいいなと思い、バーイベントをスタートしました。いつか自分で飲食店をやってみたいという夢にもつながるし、勉強もできるので現在も定期的に開催しているんですよ。コロナ禍で「人生何が起こるかわからない」って強く感じました。それまではお金を好きなことに使ってたけど、人として成長したい、人として役に立ちたい、自分に自信を持ちたいって思うようになり、今は楽しく生きています。
――2回目の引退はやりきった感じですか?
音市:はい、2回目は「これで最後」って気持ちでやったので、満足してます。これまで出した作品数は多くはないけど、自分の中ではやり切りました。
――引退しても、いまだに事務所に所属している理由はあるんですか?
音市:撮影会や他の女優さんとのコラボイベントをやれるんです。現役時代は他の女優さんと交流がなかったので新鮮で楽しいですね。
――いまもどこかの職場で働いているんですか?
音市:はい、働いています。
――職場で何か言われたりしますか?
音市:昔ほどじゃないけど、半年くらい働くと鎌をかけられたり、態度が変わったりすることがあります。現役女優じゃなくても、過去の作品などがネットで出てくるってだけでイヤな気持ちになる人もいるみたいで、職場の雰囲気が悪くなると辞める選択をしてます。それは、自分のためでもあり、周りに影響しないためでもあります。
――腫れ物扱いみたいな感じですか?
音市:そうですね。最近だと、年齢が上の人が多い職場だったから直接的な冷やかしはなかったんですけど、話す回数が減ったり、距離を置かれたりする雰囲気は感じました。
――世間のみなさんはどこでそういう情報を得るんですかね?
音市:たまに自分の名前をSNSで検索すると、「〇〇駅で見かけた」とか「電車にいた」なんて書き込みがあるんです。私は全然気づかないんですけど、やっぱり見ている人は見ているんですね。最近はネットを見ている時間が長いので、分かる人には分かるんでしょうね。
――最後に読者が一番気になる恋愛話ですが、セクシー女優だったことに対して何か言われたことはありますか?
音市:ありますよ。過去の自分も受け入れてくれる人がよかったので、付き合う前には「セクシー女優だった」と正直に話すようにしていたんですが、「尊敬するけど付き合えない」と言われたり、付き合ってからイチャイチャしている最中に「やっぱりプロだね」「テクニックがあるね」と言われたりし、傷つきました。実際は10数本しか作品に出てないのに(笑)。
――それはすごい偏見ですね。
音市:そういう発言や卑猥な目で見られるのがわかると、恋愛が楽しめなくなっちゃいますよね。それにイチャイチャ最中もセーブしちゃうじゃないですか(笑)。そういった人は本当にイヤになりましたね。肉体が目当てで付き合ったのかなって思えちゃうし。どうしても「セクシー女優だったからHが好きでしょ」みたいな偏見もあるんですが、プライベートは違いますからね(笑)。知らない人ならまだしも彼氏に言われるとショックですね。今は恋愛で傷つくのも怖いから、慎重になってます。
――確かに、恋愛は友達や職場とはまた違う人間関係ですよね。
音市:そうなんです。特にこれから新しい関係を築く人となると、私がセクシー女優だったことを伝える怖さがありますし、「元女優だからHをしたいだけ?」って考えもよぎって不安にもなります。だから、恋愛は一番慎重になります。
――そういった様々な経験をしてきても、業界に身を置いていることには満足ですか? 後悔ですか?
音市:反省しなければいけないことはありましたが、後悔はないです。辛い経験やトラウマもあったけど、覚悟を持って始めたことだし、全部受け止めています。その中で成長できたし、素敵な出会いもありました。今は写真展やバーイベントを通して大好きなファンの人に笑顔を届けられて楽しく過ごしてます。辛かったことは経験としてこれから生かしたいし、もっと楽しいことや大変なことも経験して、成長していきたいです。セクシー女優をやって良かったって思っています!
【音市美音】
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@archeoichi
<取材・文・撮影/神楽坂文人(X:
@kagurazakabunji)>
世界一セクシー女優を取材しているカメラマン、ライター、インタビュアー。元成人誌編集者のため、最後の砦として活躍中。年間イベント取材数300本超え! 年間インタビュー数200本超え! バイクで都内を駆け巡り1日で複数の仕事を受けている。X(旧Twitter):
@kagurazakabunji