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虐待父が“余命300日”に。「長生きなんてしなくていい」“介護から逃げる方法”を模索する一人娘が下した決断は…【漫画】

身体が弱った父でも、大声をあげると…

ーー父親が怒鳴ると、ヒトミの身体の芯が凍ってしまう描写があります。枇杷さん自身も、似たような経験があったのでしょうか? 枇杷かな子:はい、私も同じような経験があります。とくに私の場合、怒鳴られると同時に喉の通り道が閉じ、途端に息苦しくなってしまうような感覚が忘れられません。 小さな頃、父のバイクのエンジン音が家の外から聞こえると、いつも胸がザワッとしていました。今日はどんなことが起きてしまうのかと、自然と心の準備をはじめていたのだと思います。 私の父は、介護中にどんどん身体が弱っていきました。もはや、ケンカをしても勝ててしまうぐらいに。そのような状態でも、父が大声をあげると身体が凍ってしまう感覚は、消えることはありませんでした。

もっとも辛かったのは「自身を否定されること」

ーー枇杷さんが実際に父親を介護しているなかで、もっとも辛かった経験はなんでしょうか。 枇杷かな子:「お前はダメだな」と、日常的に私自身を否定されることですね。たとえば、お昼に父親から呼び出されて「夜なら行ける」と返事すると、決まって「お前はなんでそんなにダメなんだ?」と言われていました。 「ダメ」というセリフだけは本当に良くなくて。耳にするだけで、友人関係や仕事で培ってきた“自己肯定感”のようなものが、最下層まで落ちてしまうような感覚になってしまうんです。 昔から、アレやれコレやれと上から目線で指示をしてくることには慣れていました。でも「ダメだな」の一言だけは、どうしても心に深く刺さって抜けませんでした。 とはいえ、知らない人に自身を否定されても、そこまで心に傷を負わないと思います。私のなかで父は大きすぎる存在なので、やはり言葉の重みが違うんだってことを思い知らされました。
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それでも父親を「毒親」認定できない理由
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エンタメ好きなフリーライター。クリエイターやアイドルなどのプロモーション取材を手掛ける。ワンドリンク制のライブが好き。
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