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「今の京大はレベルが下がっている」と合格した娘に負け惜しみ…“現役京大生”が「学歴コンプをこじらせた父」に思うこと

忘れられない「元彼から言われた言葉」

千崎叶野 歪な家族で育ったことの後遺症は、むしろ家族と離れた大学入学後になって現れた。 「実家にいるときから、衝動的に叫びたくなったりしてしまうことがありました。しかしそれは家族といるストレスだろうと思っていたのです。けれども、一人暮らしをしてみても、家にいると一人で椅子を投げてしまったり、そうした衝動に歯止めが効かなかったんです」  これまでは周囲に知られぬよう、人知れず苦しんできた。だが心を許した相手に対して、「圧力ともいえる言葉で迫ってしまった場面もあったかもしれない」と千崎さんは振り返る。 「大学時代に将来を見据えて真剣に交際していた男性から、別れ際に言われた言葉が今でも残っているんです。その男性は非常に家族仲が良くて、家族それぞれの誕生日をお祝いし合う間柄でした。年に一度は家族全員で旅行に行き、家族写真もたくさんあって、当然、長期休みは実家に帰省するのを楽しみにしている。一方、私は極力帰りたくないわけですよね。  別れるときに、『家族仲が良いんだね、家族で旅行に行くなんてすごい、と言われるのがストレスでつらかった』と言われました。言葉そのものは攻撃性があるわけではないし、傷つけようと思って発したわけでもありません。けれども、私の生い立ちを知っている彼が、言下に『帰省なんてしないで、私と一緒にいてよ』というニュアンスを感じていたとしたら、きっといたたまれなかったでしょう。育った環境がまったく異なる人とは、将来を描けないのではないかと落ち込んでしまった出来事でもあります」

「医学部を受験しなかったこと」がわだかまりに

 千崎さんは精神科を受診し、適応障害の診断を受けている。彼女は何に適応できなかったのか。家族の軋轢のさなかにいたストレスは想像に難くないが、「それだけではなく、農学部に入ったこともあるかもしれません」と話す。 「私は当初、医学部志望でした。しかし結果として、医学部は受験さえせずに農学部に入るんです。1日のかなりの時間を勉強に充てたにもかかわらず、挑戦さえしなかった。そのことが、自分のなかでわだかまりになっているのかもしれません。ある日、農学部の正門から一歩たりとも動けなくなってしまったんです。あれだけ努力した過去の自分を踏みにじる選択だったのではないかと思いました」
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もう一度医師になる夢を追うかも
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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