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「今の京大はレベルが下がっている」と合格した娘に負け惜しみ…“現役京大生”が「学歴コンプをこじらせた父」に思うこと

もう一度医師になる夢を追うかも

千崎叶野 学内にいながら仮面浪人という手立てもあるにはあったが、当時はまだ母親の監視下にあった。「京大を卒業し、いいところに就職しなさい」という考え方の持ち主だという母親に、受験勉強をしていることを察知されればどうなるかわからない。だがその監視が解けた今、千崎さんには新たな目標があるのだという。 「自らの精神を立て直せたら、もう一度医師になる夢を追うかもしれません。私は自分でも嫌になるくらい真っ直ぐな理由で、医学部を志しました。人の命を救いたいんです。母に対しては非常に複雑な思いを持つ私ですが、忘れられない言葉があります。母は膵臓を患っているのですが、病気がわかったとき、彼女が真剣な顔で『弟をお願い』と言ったんです。お嬢様育ちで脳天気な彼女があんな真剣な顔をすることに驚きました。底抜けに明るかった人に寂しい顔をさせてしまう病気というものを、なくしたいと本気で思っています」 =====  親に対して持つ感情は、複雑に絡まる糸。どれか一本だけで説明し尽くせることはない。父から向けられる無形の暴力に怯え、ともに耐えた母親の意識は、千崎さんには決して向かない。生死に関わる場面で弟のみを心配する母親の言葉を、彼女はどう飲み込んだのだろう。高い目標に向かって自らを律するその原動力を、家族から離れたところに置ける日がくるといい。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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