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「お姉ちゃんみたいな顔にならなくてよかったね」5人姉弟の長女が今も苦しみ続ける“容姿至上主義”だった祖母の暴言

5人きょうだいの中で、祖母にランク付けされていた

孫に対しては、わかりやすく祖母の中でランクがついていた。三女や次男は手放しでかわいい、次女、長男は無条件で嫌いだから何をしてもいい、とやりたい放題。八つ当たりの先も2人だった。 私がよく言われたのは「男だったらよかったのに」。男だったら勉強さえできれば顔が悪くてもどうにかなる、ということだった。どこまで行っても見た目が最優先だったらしい。小学校に通わせてもらえるようになってからは勉強漬けになった。もちろん、点数が悪ければ罵られ、殴られた。祖母にはよく竹定規で殴られた。竹定規で殴られると、蚯蚓腫れになった。 ただ、父親や祖母の勝手な教育なので、学校の勉強に反映されるかというとそうでもない。小学校まではどうにかなったけれど、中学では化けの皮が剥がれた。そもそも私はそんなに頭が良くない。二次関数で躓いた。文系は得意だったけれど、勉強以外で許されていたのが本を読むことだから、というだけだ。 勉強がイマイチだとわかると、日々の学習に付随して家事を叩き込まれた。

いまだに自分が醜い顔だと思ってしまう

「あんたみいなのは嫁の貰い手もないだろうし、私やお父さんの面倒をしっかり看られるだけのことはできるようになりなさい」 ……不意に今、この言葉が祖母の声で再生されてゾッとした。 祖母が亡くなってから、私たちきょうだいを見た目で揶揄するような人はいなくなった。ただ、私はどうしても自分が醜い顔だと思ってしまい、鏡を見るのも写真も嫌いだ。 次女と三男は行方不明だからわからないけれど、三女と次男は見た目に対する自己肯定感が高い、と傍目から見ていて感じる。もちろん、彼らは彼らなりの悩みがあるんだけれど、やはり自己肯定感の一部というのは親が作るものなのだということなのだろう。 もしこれ読んでいる方の中に、小さな子を持つ方がいらしたら、できるだけ「かわいい」って言ってあげてほしい。その一言の「かわいい」が大人になったときに心を強くする欠片になるはずだ。 ちなみに、祖母は14年ほど前に他界した。死ぬ前は寝たきりで、その面倒は母がみていた。一度だけ、「あれだけ虐げてきた人間に介護されるのはどんな気持ちなんだろうね」と母が笑っていたことがある。そのときの表情が、未だに忘れられない。 <TEXT/ふくだ りょうこ>
大阪府出身。大学卒業後、フリーランスのライターとして執筆活動を開始。ゲームシナリオのほか、インタビュー、エッセイ、コラム記事などを執筆。やせ型の夫とうさぎと暮らしている。X:@pukuryo
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