更新日:2025年09月18日 09:35
仕事

「就職氷河期世代は不幸、と煽られすぎです」もう氷河期支援はいらないと、雇用のプロが言い切る理由

政府の目線が「大卒男性」に偏っている

田中:ええ。女性が自発的に非正規をやっているからバラ色、というわけではなくて、環境に適応した結果だと思うんです。なんだかんだ男性が優位に扱われたり、偏見がある上司にインフォーマルな肩叩きをされたり……。 海老原:そこは、本当に深い闇があると思う。なぜ女性だけが、家事と子育てのために、パートを選ばざるを得ないのか? 非正規問題は、女性と、非大卒の男性がポイントなんです。それなのに、政府の支援策は、「大学を出たのに非正規の男性」を重視して税金をつぎ込む。そこに僕はずっと腹が立っているんです(以下、後編につづく)。 【海老原嗣生(えびはら・つぐお)】 雇用ジャーナリスト。サッチモ代表社員。大正大学表現学部客員教授。1964年東京生まれ。 大手メーカーを経て、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。その後、リクルートワークス研究所にて雑誌「Works」編集長を務め、2008年にHRコンサルティング会社サッチモを立ち上げる。漫画 『エンゼルバンク――ドラゴン桜外伝』の主人公、海老沢康生のモデルでもある。人材・経営誌「HRmics」編集長、リクルートキャリアフェロー(特別研究員)。著書は30冊以上、近著『静かな退職という働き方』が話題沸騰中 <文/日刊SPA!編集部>
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「就職氷河期世代論」のウソ

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